【賛同】GX実行会議:柏崎刈羽原発再稼働方針への撤回要請
緑の党は、GX実行会議議長・内閣総理大臣岸田文雄氏に対して、
柏崎刈羽原発現地市民から送られる
「GX実行会議における柏崎刈羽原発6,7号機再稼働方針確認への抗議と撤回の要請」
に賛同しました。
===要請文===
2022年8月 日
GX実行会議議長内閣総理大臣岸田文雄殿
GX実行会議における柏崎刈羽原発6、7号機再稼働方針確認への抗議と撤回の要請
8月24日に開催された「GX=グリーントランスフォーメーション実行会議」は、
来年の夏以降に、これまで再稼働した原発10基に加えて、7基の再稼働を目指す
方針を確認しました。7基には、柏崎刈羽原発6,7号機も含まれています。
しかし、この確認は柏崎刈羽原発、および6,7号機の現状を把握しているものとは
言えません。
柏崎刈羽原発は、社員によるIDカード不正使用と侵入検知設備の機能喪失の
核セキュリティ事案のため、核燃料移動禁止の是正措置を受け、規制庁による
追加検査が実施されています。核セキュリティの抜本的な改善はもちろんのこと、
2007年の中越沖地震による6号機大物搬入建屋の杭基礎損傷が2021年
7月に明らかになったこと等、柏崎刈羽原発は数多くの問題を抱え、7号機の
安全性は確保されていません。東京電力は柏崎刈羽原発の再稼働の時期を言う
段階ではないことを認めています。
このような状況でのGX実行会議の6,7号機再稼働方針は、規制庁や東京電力、
ひいては、新潟県技術委員会による安全性確認の取り組みへの圧力となり、
取り組み終了を急がせることになりかねません。安全性確認の軽視につながり
うるGX実行会議の再稼働方針は、原発稼働の最優先課題を安全性の確保として
きた政府の姿勢を再稼働最優先に転換した、きわめて危険な方向への第1歩と
なっています。
再稼働に関しては、安全協定により、東京電力が新潟県、柏崎市、刈羽村の
事前同意を得ることになっています。事前同意を巡って花角知事は
「現在行われている専門家による福島原発事故に関する3つの検証が終わってから、
再稼働の議論を始め、責任をもって判断し、その判断について県民の信を問う」
と明言しています。
再稼働の是非は、政府が前面にたって結論を出させるものではありません。
あくまでも、新潟県民が民主的なルールに基づいて、判断すべきことです。
6号機は、再稼働に必要な設工認審査の申請すらなされていません。
新規制基準への適合性確認のためには、原子炉等規制法に基づき、設置変更許可、
工事計画認可、保安規定変更認可、使用前検査等の手続きが必要であり、6号機は
「設置変更許可」が終了しているにすぎません。
GX実行会議で確認した6.7号機再稼働方針は、柏崎刈羽原発の実態を直視せず、
安全性確認を軽視し、柏崎刈羽原発をめぐる新潟県の取り組みと自治を
かえりみない暴論に過ぎません。
また、実効性ある避難計画も整わず、使用済み核燃料の処理の見通しもないまま、
再稼働方針をどうやって確認できるのか理解に苦しみます。
福島原発事故の惨状、今も続く住民避難の実態、進まない廃炉、止まるところを
知らない汚染水、元に戻らない自然と生活、これらをすべてないことのようにして
確認した再稼働方針を私たちは容認できません。
柏崎刈羽原発6,7号機の再稼働方針に強く抗議するとともに、撤回を要請します。