【談話】総選挙の敗北-結果から学び、来年の参議院選挙の糧に

【談話】総選挙の敗北-結果から学び、来年の参議院選挙の糧に

2021年11月3日

緑の党グリーンズジャパン
共同代表 中山 均

第49回衆議院議員選挙は10月31日に投開票を終えました。大方の事前マスコミ報道の予想を裏切り、自民党は単独過半数を超え、野党第一党の立憲民主党は議席を減らしました。共産党も議席を減らしています。日本維新の会は改選前の約3倍もの議席を獲得し、改憲勢力は3分の2を確保しています。また、れいわ新選組は少数ながら躍進しました。

今回の結果からまず見えることは、自民党も、それに対して批判・非難を強めてきた立憲民主党も、少なくない有権者から「古い政治」と見なされ、維新とれいわは、それらの人々の受け皿となった、ということです。

小選挙区制とブロック比例制度の根本的な欠陥や、各選挙区での「市民野党共闘」の成功事例もあったものの、今回の結果は、私たち緑の党も含む陣営の深刻な敗北です。

衆院選挙が「政権選択選挙」の性格を持っているとはいえ、立憲民主党が掲げた「政権交代」は、有権者の当面の期待とは乖離があったかもしれません。また、魅力的で大胆かつ実現可能性に希望を持てるような理念や政策を強く打ち出すことも、成功したとは言えませんでした。この点は、方向が全く異なるとはいえ、維新やれいわと対照的だったと言えます。

「市民・野党共闘」のあり方について、すでに連合から立憲民主党にさまざまな形で圧力がかけられています。しかし、私たちは共闘の意義や成果を確認しつつ、来年の参院選に向け、厳しい政治情勢の中で、共闘の柔軟な変化や発展についても議論する必要があります。また、維新やれいわの躍進と、その躍進を支えた有権者の心理や期待についても、率直に目や耳を向け、教訓を学ぶ必要があります。

一方、今回の選挙では、選挙の勝敗を超えて、日本社会の課題も浮き彫りにしました。気候危機問題は大きな争点とはならず、この問題に関する政治的議論や社会的関心の低さが露わになりました。この問題に取り組む社会運動の弱さも日本においては課題です。「政治分野における男女共同参画推進法」が施行されて初めての総選挙であったにもかかわらず、新たな議席に占める女性数・比率も改選前を下回りました。推進法を具体化する実効的な法制度の整備が緊急に求められていると言えます。

ヨーロッパでは「グリーンウエーブ」が大きなうねりとなり、緑の党がその重要な政治的担い手となっています。私たちは、小さな政党ながら、そのような歴史的役割を自覚し、自らを鍛え、新たな展望を議論・発信し、来年の参院選や1年半後の自治体選挙に向けて準備を進めるべく、決意をあらたにします。

今回の総選挙で私たちが応援した各候補の勝利に向けてご協力いただいた全ての皆様に感謝申し上げるとともに、今回の総選挙で奮闘された党内外の仲間の皆さんに心より敬意を表します。

 

PDFファイルは⇒ https://greens.gr.jp/uploads/2021/11/fc8b52ff1ee0932e6b7db8566ba83c7e-1.pdf