【世界のみどり】9月の国政選挙結果 inヨーロッパ: ドイツ緑の党は連立政権で気候政策を期待!アイスランド、ノルウェーでは・・
9月の国政選挙結果 inヨーロッパ:
ドイツ緑の党は連立政権で気候政策を期待!アイスランド、ノルウェーでは・・
9月のドイツ総選挙(連邦議会選挙)で躍進したドイツ緑の党では、10月17日に代表者会議が、SPD(社会民主党)、FDP(自由民主党)との正式な連立協議の開始を承認しました。3党の主な見解の溝を埋めることができたとされたのです。緑の党は、新政権の中で実効性のある気候対策を強力に推進することが期待されています。
選挙前の世論調査(公共放送ARD)によると、有権者が最も重要な課題と考えたのは、環境・気候変動対策33%、次いで移民22%、新型コロナウイルス18%でした。4年前は、移民47%、環境・気候変動対策9%でしたから大きな変化です。ドイツ西部で7月に発生した大雨を体験した若者は、「気候危機は命と経済を脅かす差し迫った問題と確信した。中途半端な環境政策を掲げる政党には誰も投票しないだろう。」とインタビューに答えていました。
<アイスランド:女性議員が増える>
同じく9月に総選挙があったアイスランドでも、左派緑運動党(Green Left Movement)が第1党の座を保持し、女性党首カトリーン・ヤコブスドッティル首相は政権を維持しました。今回、議員63人中、女性議員数が24人から30人と半数に近づいたことも話題でした。
<ノルウェーのジレンマ>
ノルウェーの事情は異なりました。ほぼすべての政党が9月の議会選挙を「気候選挙」と言いましたが、もっとも強い対策を唱えた緑の党が票を伸ばせず、1議席を維持するにとどまりました。緑の党にとってジレンマは、ノルウェーがヨーロッパの中でもロシアに次ぐ石油・天然ガスの産出国だということです。実際、選挙に勝利した労働党を軸とする中道左派連合は、今月「ノルウェーの石油産業を廃止しない」と言い、海底の石油・ガス探査を継続、新規の掘削も許可する方針を明らかにしました。
(参照)ブルームバーグ
ドイツ、緑の党が正式協議入りを党会合で承認-3党連立に向け
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2021-10-18/R150VWT0AFB601
(参照)ロイター
アイスランド議会選、女性議員数が過半数に届かず
(参照)Euro News
Why do green parties struggle in climate-conscious Scandinavia?