【世界のみどり】 「緑の波」の高まりの中でドイツ緑の党の勝利-大躍進を祝い、日本でも気候対策の推進を決意します
【世界のみどり】「緑の波」の高まりの中でドイツ緑の党の勝利-大躍進を祝い、日本でも気候対策の推進を決意します
2021年9月30日
緑の党グリーンズジャパン共同代表
尾形 慶子
9月26日のドイツ連邦議会選挙(総選挙)で、ドイツ緑の党は118議を獲得(前回は67議席)、第6党から一気に第3党に大躍進しました。
第1党(社会民主党)・第2党(キリスト教民主・社会同盟)のどちらも過半数に達しないため、新政権の連立交渉には時間がかかると思われるものの、緑の党が連立政権に参加することは確実と見られます。
2018年にスウェーデンのグレタ・トゥンベリさんや若者たちが始めた気候ストライキから始まった「グリーンウェイブ」(緑の波)はヨーロッパで大きく高まり、これを受け、2019年5月のヨーロッパ議会選挙で緑の党は第4党へと大躍進しました。ドイツだけで見れば第2党となり、30歳以下の層では与党連合を大きく引き離す第1党となっています。また、地方選挙でも、すでに第2党・第3党を勝ち取っていました。
さらに、2020年、新型コロナウイルス感染症が拡大する中でも、環境問題と社会システムの矛盾への関心が高まり、ドイツ緑の党は緑の市長を次々と誕生させています。本年4月に首相候補となった共同代表のアンナレーナ・ベアボック氏は、5月の世論調査で与党のキリスト教民主・社会同盟を抑えて支持率首位に立ち、緑の党の首相が誕生する可能性すら期待されていました。
本年6月、私たちはドイツ緑の党の国際政治担当のジャミラ・シェーファーさんを迎えて、オンライン講演会を開催しました。その中で、ドイツ緑の党がEUやドイツ政府に対して「石炭産業からの転換」「環境税の強化」「ディーゼル特権の廃止」「自動車産業優遇をやめること」などを迫っているとともに、特定の層に痛みが集中しないようにする「公正な移行」を訴えていることが報告されました。
7月にドイツを大洪水が襲った際には、惨状を目の当たりにした首相候補のベアボック氏は気候変動緩和策だけでなく、適応策として集中的な災害管理体制と治水・街づくり計画の調整が重要であると主張しました。
ドイツ緑の党が新連立政権の中で、これらの政策実現に向けて活躍することが期待されます。私たち緑の党グリーンズジャパンも、ドイツ緑の党ととともに「グローバルグリーンズ(緑の党世界連盟)」を構成する一員です。ドイツ緑の党の勝利は「緑の波」の高まりと粘り強い活動の成果です。日本においても、気候変動問題を含め、持続可能な社会実現のために先頭に立って活動しようと決意を新たにします。
*ドイツ緑の党は、Facebookで次のように言っています。
「選挙期間中、すべての政党が気候対策をやると言ったんだから、次の政権は『気候政権』になるべきだ。」
https://www.facebook.com/B90DieGruenen/posts/10161115777553219
*年齢別の得票率を見えると、ドイツ緑の党は、若者層の票を大幅に増やしました。
出典はこちら(ドイツ緑の党:Grünen)。
https://www.tagesschau.de/wahl/archiv/2021-09-26-BT-DE/umfrage-alter.shtml