【談話】天安門、香港、そして米国-人々の人権と民主主義を守れ

 

【談話】天安門、香港、そして米国-人々の人権と民主主義を守れ

2020年6月5日
緑の党グリーンズジャパン共同代表
 中山 均

  昨日(6月4日)、中国の天安門事件から31年目が経ちました。
  当時、民主化を求めて天安門広場に集まった学生に対し、中国政府は数千人の軍を派遣して発砲、数百人が犠牲になったとされます(1万人とする説もあり)。中国政府はその後も政府への批判やチベット・ウイグルなどの自治の動きを暴力的・強権的に封じ込め、情報統制も図ってきました。
  中国政府は香港の民主化を求める動きに対しても、去る5月28日、「香港国家保安法」を成立させ、「一国二制度」を事実上否定し、香港市民に対する統制や処罰を強化しようとしています。
  その香港では、毎年6月4日に天安門事件の犠牲者を追悼する集会が開かれていましたが、今年はコロナ感染拡大を理由に禁止されていました。それでも、31年前の天安門の若者たちの姿と自らの未来を重ね合わせ、中国政府に対する強い憤りと厳しい危機感の中、多くの市民が各地で声をあげ集会を開催しました。
  そして香港への中国の対応を批判する米国の足元では、黒人男性が警官によって殺害された事件を契機に、社会に根深く残る人種差別や貧困の固定化に対する人種を超えた怒りが広がり、各地で大きなデモが巻き起こり、各国のトップも 含め、世界でもこの抗議デモに共感する声が高まっています。ところがトランプ大統領はデモ参加者を敵視し、対立を煽り、軍の派遣も示唆しています。
  中国も米国も、いずれもデモや集会を「テロ」「暴動」と見なし、民主主義に基づく正当な活動を押さえつけようとしています。制御が必要なのは、香港や米国の市民ではなく、中国・香港・米国政府や警察の暴力です。
  私たちは、圧力の中で行動を続ける香港や米国の市民に、そして彼らに共感して声を上げている世界中の人々に、その想いを共にして心からの敬意と連帯を表明します。そして私たちは、関係政府に対し、民主主義と市民の人権を守り、暴力的な取り締まりをやめるよう求め、日本政府もそのために積極的に発信・行動すべきだと強く訴えます。

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