【声明】日本国憲法施行から73年 -気候危機とコロナ危機の中で、憲法の理念の再確立を
【声明】日本国憲法施行から73年
-気候危機とコロナ危機の中で、憲法の理念の再確立を
2020年5月3日
緑の党グリーンズジャパン運営委員会
本日は、日本国憲法が施行されて73年目となります。
今年の憲法記念日は、例年と大きく異なった状況-急激に深刻化している気候変動と、その気候変動や環境破壊とも連動した新型コロナウイルス感染症拡大という2つの危機の中で迎えています。
これらの危機はグローバルに進行し、そしてもっとも弱い人々にもっとも深刻な打撃を与える形で、社会全体を揺るがしています。そしてまた、これらの危機は、これまで利益と成長と効率をひたすら追い求める中で多くを犠牲にしてきた社会の歪みを、露わにしています。
それは、今まさに私たちが目の前にしている、仕事を失っている非正規労働者や中小事業者、脆弱な医療現場で感染拡大の危機に直面している高齢者、崩壊と隣り合わせの医療・福祉の現場がそれであり、気候変動にも感染症にも十分な対策をとることができない途上国の状況にも顕著に表われています。
社会や経済のあり方を再構築し、国際的な連携と協調、雇用・医療・福祉のセーフティネットを強化しながら、これらの危機に立ち向かわなければなりません。そしてそのプロセスには、民主主義と公正性と透明性が求められます。
しかし、捏造と隠ぺいと改ざん、憲法解釈の強権的な変更、三権分立の蹂躙と民主主義の破壊、沖縄の民意を無視した辺野古基地建設、安保法制に基づく新たな自衛隊派遣、そして自分や「お友達」の利益のための政治、まやかしの「復興五輪」を掲げたオリンピック・パラリンピックを優先してきた安倍政権に、危機への対処を委ねることはできません。しかも安倍政権は、感染症対策を遅らせた結果生じた混乱に乗じて、憲法に緊急事態条項を盛り込もうとさえしています。この緊急事態条項は、現在発出されている感染症緊急事態とは次元の全く異なる強権条項です。
私たちは、この新たな2つの危機の中でも、憲法の理念の重要性をあらためて確認します。生活や雇用や医療の崩壊、DVの深刻化、強権発動への期待と同調圧力などは、憲法の定める基本的人権や生存権や民主主義の危機も表わしています。
だからこそ今、危機に立ち向かい、乗り越えるだけではなく、憲法の理念を再確立し、活かすことを通して、前文で謳う「全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する」ことのできる社会を再構築することが必要です。私たち緑の党は、そのためにも、日本と世界中の市民と連携を強め、平和を守り、透明で公正な新しい政治を創り出していくことをあらためて決意します。
PDFファイルは➡https://greens.gr.jp/uploads/2020/05/seimei20200503.pdf