【ストップ気候危機】ストップ気候危機!ニュース NO.1 2020.2.29
1.政府は国別削減目標(NDC)の提出を延期
COPの加盟国は、2020年11月のCOP26の9か月前までに、CO2削減の新たな数値目標を提出することになっています。提出している国はまだ少ないのですが、日本政府は数値目標の引き上げをせずに、2月中にも提出する可能性がありました。
それを危惧する国際的な環境NGOのCAN-Japanは、1月23日に「日本政府に温室効果ガス排出削減目標の引き上げを求めます 国民的議論を経て国別約束(NDC)再提出を」との声明を発しました。
https://www.can-japan.org/press-release-ja/2665
この声明では、「国民的議論を開始するプロセスをつくること」「排出削減目標の見直しと連動して、地球温暖化対策計画及びエネルギー基本計画の改定を進めること」「原子力と石炭を重視する従来の方針を撤回する」ことなどが主張されています。
国際的な批判にさらされている日本政府は、これ以上の批判を恐れて提出を延期したと報道されていますが、突然提出することも予想され、世論の喚起が求められています。
2.政府の不十分な石炭火力見直し方針に環境NGOが抗議声明
小泉環境大臣が、2月25日に「石炭火力輸出支援4要件の見直し」を表明しましたが、これに対して環境NGOは連名で抗議声明を発しています。
https://world.350.org/ja/press-release/200226/?fbclid=IwAR2_UMTcKQz2-Yqv5RHpOqFUgWbVJp5nEFW1gbtXS7qVy9bYtrESWiw6gqU
「現在計画中の案件の見直しがなく容認している」「輸出支援国の環境社会配慮が無視されている」というのが抗議声明の骨子です。
安倍政権を特徴づけてきた「やっているふり」を、改めて踏襲するような小泉環境大臣の「見直し論」は、石炭火力を維持するための政治的パフォーマンスでしかない、と言わざるを得ません。
3.国会で非常事態宣言の決議へ
国会でも非常事態宣言が決議される方向で、超党派の議員連盟が2月20日に発足しました。今国会での決議をめざしています。これ自体は歓迎すべきことです。
しかし、CO2削減の数値目標や石炭火力発電の廃止へ向けた文言は含まれない方向ということです。具体的な実効政策を伴わない「非常事態宣言」が非常事態宣言という名にふさわしいものでしようか。
以上3つの現状は、気候危機の現状認識は高まっているものの、本気の覚悟を持った実効性ある決断まで至っていない、ということです。
最大の重要焦点である「数値目標の引き上げ」と「石炭火力廃止」へ向けた取り組みを、さらに強めることが求められています。