【プレスリリース】【論説】諫早湾干拓問題: 速やかに必要な対策で有明海・諌早湾の再生を

報道各位
<プレスリリース>

2019年10月15日
緑の党グリーンズジャパン 運営委員会

日頃より大変お世話になっております。 緑の党グリーンズジャパンでは本日・10月15日付で、

 
【論説】 諫早湾干拓問題:
速やかに必要な対策で有明海・諌早湾の再生を-最高裁判決を受けて-

をWeb上で発表しました。

ぜひご確認いただけますようよろしくお願いいたします。

*この【論説】は以下のページでもご覧いただけます。
https://greens.gr.jp/seimei/26801/

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【論説】 諫早湾干拓問題:
  速やかに必要な対策で有明海・諌早湾の再生を-最高裁判決を受けて-

                            2019年10月15日
                   緑の党グリーンズジャパン政策部

 去る9月13日、最高裁判所は、2010年に確定した諫早湾潮受け堤防排水門の開門命令判決に基づく強制執行を許さないとした福岡高裁判決を破棄し、同高裁に審理を差し戻しました。

 佐賀県の漁民の皆さんが諫早開門を求めた訴訟において2010年、福岡高裁は請求を認め、当時の菅首相が上告しないことを決めたため、漁民側の勝利が確定しました(以下「確定判決」)。諫早干拓によって有明海の水質が悪化したことは明らかです。ところがその後、安倍政権になって、国は原告だった漁民らに対し、「事情が変わったから、確定判決に基づく強制執行を認めてはならない」という訴訟を提起してしまいます。さすがに2014年12月12日佐賀地裁判決は、そのような国の言い訳を許さず、国が確定判決を履行しないという前代未聞の事態に厳しく対処して国の請求を棄却しました。ところが2018年に福岡高裁は、10年ごとに更新される漁業権につきその10年が切れた時点で、すぐ漁業権が更新されたにもかかわらず当初の漁業権はもはや消滅したから漁民らの請求の根拠はない、という驚くべき解釈を展開して漁民敗訴の判決を言い渡しました。ここまで破綻した福岡高裁の論理を、今回、さすがに最高裁も容認できなかったと言えます。

 確定判決後、矛盾する司法判断が相次ぐなど、数々の混乱が生じた最大の原因は、国が漁業被害と開門確定判決を軽視し、開門確定判決に真摯に従わなかったことにあります。国は、これ以上漁業被害を無視し続けて、佐賀県民と長崎県民の分断、対立を煽るべきではありません。私たちは、福岡高裁の論理破綻を是正し、被害回復への糸口を与えたという意味において、今回の最高裁判決を歓迎します。

  私たちは国に対し、今回の最高裁判決を重く受け止め、速やかに開門を行うこと、そして、諌早湾を含めた有明海全体に豊かな生態系を取り戻すため、開門によって生じる問題について直ちに対処することを強く求めます。

*この「論説」のPDF⇒
https://greens.gr.jp/uploads/2019/10/ronsetsu_20191015.pdf

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以上。