【東京都本部・声明】復興五輪の名のもとに福島原発事故の被災者や避難者を切り捨てる…

緑の党東京都本部が「3.11」にむけて声明を発表しましたので紹介します。 *都本部HPはこちら


 

【声明】 復興五輪の名のもとに、福島原発事故の被災者や避難者を
     切り捨てる東京オリンピックに異議あり

2019年3月7日
 緑の党グリーンズジャパン
東京都本部運営委員会

  • はじめに
    数々の問題を含んだ2020 年東京オリンピック・パラリンピック開催が1年半後に迫っています。今年1月、米国緑の党は国連経済社会理事会(UNESC)に公開書簡を送り(*1)、東電から日本政府へ管理責任が移行したのちも、国際安全基準の20倍も緩い危険な規制基準を用い、継続的に人権が侵害されていること、放射性汚染水の太平洋への継続的な放出が止められないことを理由として、福島第一原発事故の管理運営責任をIAEA(国際原子力機関)に移行するよう提言しました。米国緑の党から、この公開書簡を作成するにあたり、日本の緑の党に放射能汚染とオリンピック開催に関する問い合わせがありました。私たち緑の党東京都本部はその経緯も踏まえて、特にオリンピック開催自治体であることから見解をまとめました。

 

 2013年秋、安倍首相が「福島原発事故の放射能はアンダーコントロールされている」と事実に反した誘致演説を行い、IOC(国際オリンピック委員会)は2020オリンピックの開催地を東京と決定しました。そして、政府は基本方針に「この機会を国全体で最大限いかし、「復興五輪」として、(略)被災地が復興を成し遂げつつある姿を世界に発信する」とうたい、オリンピックまでの避難者ゼロにむけて避難者や被災者への支援策を次々と縮小・廃止してきました。この3月末で福島県による区域外避難者への住宅支援も打ち切られようとしています。
 復興五輪の名のもとに福島原発事故の収束を演出し、被災者や避難者を切り捨てる東京オリンピックを認めることはできません。

 本来放射能は人間にとってゼロが好ましく、それ以下なら影響が無いという「しきい値」は存在せず、一般の人は1ミリシーベルト/年以下を基準とし、これが国際基準です。
 したがって、現在も1ミリシーベルト/年を超える地域に住民を帰還させる政府、福島県の方針は到底受け入れられません。昨年10月には国連人権理事会も1ミリシーベルト/年以下が適切だとして、日本政府には「子どもの被ばくを防ぎ、最小限にする義務がある」とする声明を発表しています。

 政府と福島県は、放射能に汚された地域の除染が終了次第、避難指示等の指定を解除して、住民を帰還させる政策を優先しています。しかし、福島県民の74%が「元の暮らしができるのは、今から20年、または20年以上」と感じています(2019年2月朝日新聞世論調査)。また、避難指示解除から間もなく1年となる9市町村の帰還率は15.3%に止まり、住民の健康や暮らしの不安や判断と、復興とは程遠い現実を示しています。
 私たち緑の党グリーンズジャパン東京都本部は、政府、福島県に対して、以下の対策の実施を強く求めます。

  1. 人が居住できるのは1ミリシーベルト/年以下の地域であることを再確認すること
  2. 1ミリシーベルト/年を越える地域では、住民の避難の権利を認め、避難(特に住宅)と個々の暮らしの再生まで、経済的な支援を完全実施すること
  3. オリンピック開催関係地域について放射線量を調査・公表し、来日する各国選手らへの情報提供を行うこと

以上

*1 https://www.gp.org/fukushima_eleven_years_after

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