【声明】米朝会談を機に、北東アジアの非核化と平和構築へ
【声明】米朝会談を機に、北東アジアの非核化と平和構築へ
2018年6月25日
緑の党グリーンズジャパン運営委員会
去る6月12日、シンガポールで史上初の米朝首脳会談が開催されました。同会談後に公表された米朝共同声明は、「新たな米朝関係の確立」、「朝鮮半島における持続的で安定した平和体制の構築」、「朝鮮半島における完全非核化への努力」を確約しました。
今回の合意は、4月27日の南北会談を契機に始まった緊張緩和の延長線上にあり、双方の事情や思惑があったにせよ、1950年の朝鮮戦争が始まって以来続いてきた敵対関係を転換し、東北アジアの軍事的緊張を緩和していく大きな歴史的転換点となりうるものだと言えます。
とりわけ、「北朝鮮」にとどまらず、「朝鮮半島」の非核化に言及したことは重要です。これは、私たち緑の党も積極的に賛同してきた「北東アジア非核兵器地帯構想」への一歩ともなりうるものと考えるべきです。また、会談を踏まえ、米韓合同軍事演習の暫定的な停止も明言されており、核だけではなく、関係各国が段階的に軍事的対立の要素を取り除き、朝鮮半島を越えて北東アジアの平和に向けて努力していくことも重要です。
南北・米朝の関係改善は、拉致問題の解決にも肯定的な影響を及ぼす可能性があります。しかしその一方で、日朝間には拉致問題以外にも植民地支配の清算問題や在日朝鮮人への差別などの懸案があり、その解決のためには日朝国交正常化と日朝平壌宣言の具体化が不可欠です。また、拉致問題は国連人権委員会も認めている北朝鮮による人権侵害のひとつであり、その最大の被害国は韓国であることも認識する必要があります。したがって、これらの課題の解決のためには、関係各国とも連携した国際的・包括的なアプローチこそが必要であり、安倍政権がこの間進めてきた「圧力路線」は、それとは対立するものです。
日本政府もこれまでの路線を転換する必要があります。一連の緊張緩和の流れの中で存在感を失っていた安倍首相も、ようやく「対話」を口にするようになっています。今回の米朝合意を契機に、日朝両政府は平壌宣言の原点に立ち返り、これを誠実に遂行すると共に、同宣言に基づく日朝首脳会談の早期開催に向け、努力しなければなりません。会談と懸案解決に向けた対話や具体的な協議を進め信頼関係を構築して行くことで、結果的に拉致問題の解決の可能性も大きくなるでしょう。
4月28日付の声明(※1)でも述べた通り、会談の実現に向けて積極的な役割を果たした韓国文政権は、公正な政治と平和を求める韓国市民の動きによって支えられたものであり、平和構築における市民の役割の意義とその大きさを私たちはあらためて確認できます。その意味でも、日本の政治をつくりかえることこそが、私たち市民の責務です。緑の党グリーンズジャパンも、国境を越えた市民や自治体の連帯を強化し、草の根の市民活動と連携を深めながら、東北アジアの平和構築に貢献していきます。
註 1) 運営委員会声明「南北首脳会談を受けて」https://greens.gr.jp/seimei/22738/
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