【声明】規制委員会による柏崎刈羽原発6・7号機の適合性審査案「了承」に抗議します
【声明】規制委員会による柏崎刈羽原発6・7号機の適合性審査案「了承」に抗議します
2017年10月4日
緑の党グリーンズジャパン運営委員会
本日、原子力規制委員会は、東京電力柏崎刈羽原発6・7号機(新潟県)について、新規制基準に基づく適合性審査案について、全会一致で了承し、事実上の「合格」とする判断を下しました。福島原発事故を起こした東電の原発としては初めてです。
規制委員会はこれまで「廃炉を主体的に取り組むことができない事業者に再稼働の資格はない」と厳しい姿勢を見せていましたが、それはまったくの茶番でした。この案は今後意見募集を経て1か月ほどのちに正式決定されることになります。
日本の適合性審査は諸外国と比較しても不十分であり、避難計画との整合性も考慮されていないなど、多くの欠陥があることが指摘されてきました。特に柏崎刈羽原発については、免震重要棟の耐震性不足が大きな問題となったにもかかわらず、新たに敷地内の他の原発建屋内に設置するという小手先の危険な対策で済ませようとする東電の対応をも規制委は了承してしまいました。
また、今回の審査書案では、他の原発にはない異例の対応も加えられ、「原発事業者としての適格性」まであえて踏み込み、これを容認しました。当初、規制委内では「審査は原発の施設や設備の安全対策を評価するもので、事業者の適格性を判断する法的根拠はない」と考えていたとされていますが、規制委は権限を越えて、しかも国民世論にも反する判断に踏み込んだのです。
東電は現在、テレビや雑誌、大量のインターネット広告など、再稼働に向けたプロパガンダを進めています。福島原発事故の収束も見通せず、多くの避難者や被災者が深刻な暮らしを続ける中、廃炉・賠償費用を直接・間接的に全国の市民に負担させながら、反省も総括もなく再稼働に突き進んでいる東電には、原発事業者としての適格性は無く、再稼働などできるはずありません。そのあたりまえの事実を評価できない規制委の「新規制基準」や「適格性評価」に関する判断は、ただちに撤回されなければなりません。
すでに、今回の規制委の結論の見通しが示された時点で、新潟県知事・新潟市長などは即座に否定的な見解を明らかにしています。特に新潟県の場合、米山知事の掲げる独自の「3つの検証」作業をはじめ、安全協定や東電と交わしているさまざまな文書が強力な障壁となっており、再稼働を見通せる状況ではありません。これは新潟県民をはじめ、全国の市民の力が実現させた成果でもあります。
緑の党グリーンズジャパンは、自らも積極的に関わって誕生した米山県政の対原発政策を支えるとともに、柏崎刈羽をはじめとする原発の再稼働の阻止とその廃炉、そして原発にも化石燃料にも頼らないエネルギー政策の確立に向けて、仲間たちと連携し、力を尽くします。
参考
- 「原子力規制委員会は柏崎刈羽原発の適合性判断を取り消せ」10月4日(原子力資料情報室・柏崎刈羽原発の閉鎖を訴える科学者の会共同声明)
http://www.cnic.jp/7700 - 「柏崎刈羽6・7号機の再稼働を認める審査書案に抗議する-福島第一原発事故を引き起こした東電に柏崎刈羽原発を運転する資格はない」10月3日(124団体・1793名の共同抗議声明:緑の党も賛同) http://www.foejapan.org/energy/stop_restart/171003.html#seimei
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