【世界のみどり】グローバル・グリーンズ2017 リバプール大会報告
・リバプール宣言 2017.4.2 ―世界は憂慮すべき危険な傾向にあります。私たちグリーンズは・・・
・公式動画 #Greens2017 in a nutshell ~さあ、行動のときです。
・報告会日程 全国各地で報告会を開催します。ぜひご参加ください!
・派遣団ブログ フェイスブック
*「グローバル・グリーンズ大会 報告集」を発行しました!
詳細⇒https://greens.gr.jp/world-news/20124/
新しい社会をつくる政治的受け皿としての
GREENSの役割を探る
派遣団団長:長谷川平和(緑の党共同代表)
2017年3月30日(木)から4月2日(火)までイギリスのリバプールにおいて、第4回グローバル・グリーンズの世界大会が開催されました。
今回のグローバル・グリーンズの大会は、米国にトランプ政権が誕生し、英国のEU離脱、そして排他的ポピュリズムが世界に拡大していく中、オーストリアで史上初の緑の党出身の大統領が誕生し、オランダでも右翼政党の対抗軸として緑の党が躍進するなど、これまで環境政党として認知されてきた緑の党が、人権、平和、ジェンダー、民主主義などの価値観と、融和と新しい社会構築にむけた現実的政治の受け皿として新しい役割が期待される中で行われました。
日本からは共同代表2名(長谷川羽衣子、長谷川平和)を含む20人の派遣団を送り、世界各国の緑の党とネットワークを構築するほか、様々なワークショップに参加しました。
大会の歓迎式典では、米国のトランプ大統領を皮肉ったツイッターで有名になったスウェーデン緑の党共同代表で副首相のイザベラ・レヴィンをはじめ、5人の女性政治家がスピーチを行うなど、いかにも緑の党らしい幕開けとなりました。
その後、メイン会場の舞台には様々な民族衣装をまとった各国の緑の党代表が勢揃いしました。日常の政治とは裏腹に、その色鮮やかな舞台を見て、緑の党がめざす多様性の尊重と融和、それが全世界的なネットワークでつながっていることをあらためて実感しました。
日本からの派遣団メンバーもそれぞれの課題をもって各セッションに参加しました。更に日本の緑の党は、いくつかのセッションへの登壇、運営などに積極的に係わりました。
貿易のパネルセッションでは、共同代表の長谷川羽衣子さんが欧州緑の党共同代表のビュティコファーさん、カナダ緑の党共同代表のメイさんなどそうそうたるメンバーの中で登壇し、保護貿易に揺れ動くなかでの自由貿易、フェアな貿易について議論しました。
比例代表制のセッションでは国際部の足立力也さんが登壇し、日本の選挙制度の現状と供託金について話をしました。
また、日本の緑の党が主催して「核と平和」そして「報道の自由」についてのセッションが行われました。「核と平和」では、福島第一原発事故後、福島からイギリスに自主避難した園田美都子さんの貴重な体験談や日本の原発事故後の状況報告をはじめ、原子力発電に係わる各国の現状などについて情報交換を行い、各国緑の党が団結して取り組んでいくことが確認されました。このセッションをきっかけに緑の党グリーンズジャパン提案の「放射能被害の影響から逃れる人の権利を求める緊急決議」に20か国以上の参加者からの署名が集まりました。3日目の夜には緊急企画としてユースホステルの会議室を借り切り、「太陽の蓋」の上映会を行いました。直前のアナウンスにもかかわらず、多くの方にご参加いただきました。
「報道の自由」のセッションでは、日本のメディアがおかれた状況についてイギリスエセックス大学フェロー藤田早苗さんをお招きして講演をいただきました。OECD諸国などでは通常考えられないようなメディアの日本の現状について、驚きの声が寄せられました。
数多くのセッションでは、女性ネットワークの戦略会議、自治体議員ミーティング、ヤンググリーンズや地域の緑の党連盟などのグループごとに設定されたものから、GDPに代わる指数、税の公平やベーシックインカム、COP23への対応やダイベストメント・キャンペーンなど政策や社会運動に関するテーマ、あるいはオーストリアとオランダの担当者による選挙キャンペーンやSNS活用術など、実際の選挙活動に役立つ貴重な話を聞く機会も提供されました。
そうしたテーマごとの情報交換や世界の緑の仲間との交流など、実りの多かった第4回グローバル・グリーンズ大会は、「リバプール宣言」をもって終了しました。この宣言は、環境危機、不平等、武力紛争の増大、排他的ポピュリストによる虚構の解決策に対して、多様性を尊重し、平和と真の民主主義をめざして世界の緑の党が団結して取り組むことを決意するものです。
今回のグローバル・グリーンズ大会で得た問題意識や知見を、今後どのようにしてローカルでの活動に活かしていくかも重要です。そして、5年後にアジア太平洋地域で開催される第5回グローバル・グリーンズ大会では、日本の政治シーンから世界の緑に対して良い成果報告をしたいものです。