【談話】オランダ下院選を受けて―緑の党が躍進
【談話】オランダ下院選を受けて―緑の党が躍進
2017年3月23日
緑の党グリーンズジャパン 共同代表 中山 均
オランダ下院選(定数150)は15日投開票され、与党の自由民主党がかろうじて第1党の座を維持しました。一方、急速に支持を伸ばしてきた極右・自由党は失速して第2党となり、敗北を宣言しました。ヨーロッパでは、今後、フランス大統領選やドイツの総選挙を控えており、この選挙が台頭する極右ポピュリスト政党の動向を占うものとして世界的に注目されました。
この選挙で緑の党は、気候変動対策の重要性、寛容な社会の維持や社会保障政策の充実を訴え、支持と共感を大きく広げ、4議席から14議席に躍進しました。勢力を伸長させて来た極右勢力に対して最も対極的な主張を展開した緑の党が最も票を伸ばしたのです。
これはアメリカ大統領選における緑の党ジルスタイン候補の善戦や、「民主社会主義者」を自称するサンダース候補への支持の拡大、オーストリア大統領選で極右と激しい選挙選を展開した緑の党出身のファン・デア・ベレン氏の勝利、スペインにおけるポデモスなどの動きとも通ずる現象だと言えます。
極右勢力の伸長は決して過小評価すべきではありませんが、今回の選挙の最大の勝利者は、政党としての緑の党である(※)と同時に、極右に対抗し緑の党を押し上げたオランダの市民の良心だと言えるでしょう。この勝利は、続くヨーロッパの各選挙にも希望を与えることになるでしょう。
緑の党の世界組織であるグローバル・グリーンズは、3月30日から4月2日まで英国・リバプールで総会を開催し、私たち緑の党グリーンズジャパン派遣団も参加します。総会では、オーストリアやオランダの緑の仲間たちの選挙から学ぶセッションも開催されることになっており、私たちも彼らから学び、世界の仲間たちとともに希望を共有します。
私たちは、来たる日本の総選挙も、世界に広がる極右と民主主義との対立構造の中にあることを再確認し、世界の仲間たちの奮闘に続き、多様性と寛容、公正な連帯社会の実現を掲げ、他の野党や広く市民と連携して奮闘する決意を新たにします。
※註
3月15日付毎日新聞でも若者に支持された緑の党を注目する記事が報じられている
http://mainichi.jp/articles/20170315/k00/00e/030/331000c
PDFはこちら