【談話】格差・貧困の放置がトランプを生み出した-グローバルな連帯・共生こそ緊急の課題
【談話】格差・貧困の放置がトランプを生み出した
-グローバルな連帯・共生こそ緊急の課題
2016年11月11日
緑の党グリーンズジャパン
共同代表 中山均
注目されたアメリカ大統領選挙は、得票数ではクリントン候補が上回ったものの、移民・異宗教の排除を訴え、女性への差別的発言をはばからなかったトランプ候補が勝利しました。アメリカ社会は分断や差別の拡大という深刻な危機に直面しています。
一方、この結果を客観的に見れば、民主党のサンダース氏への支持拡大と同様、弱肉強食のグローバル新自由主義経済がもたらした格差や貧困の拡大を背景とし、それを進めた既存の政治・経済的エリート層への不満の噴出の表現だと言えます。世界でわずか60人余りの大富豪が貧しい36億人の人びとと同じ資産を保有している歪んだ構造の放置が、トランプ候補とその勝利を産み出した原因であり、イギリスのEU離脱とも通ずる現象です。
また、トランプ候補の勝利は、経済成長によるトリクルダウンを主張してきた欺瞞的な新自由主義が、成長の行き詰まりの中で、国益と排外主義という露骨で野蛮な分捕り合いへと帰結させつつあることを示しています。この道は、世界中で格差・貧困・排除をさらに加速させ、日本においてもこの流れは台頭しています。安倍政権も、こうした流れを基盤のひとつにしています。
私たち緑の党は、格差と貧困を拡大しながら世界と日本で進む、グローバル企業の収奪と金融経済による富の独占を加速する野蛮な新自由主義の流れに徹底的に対抗することを強く訴えます。「地球ひとつぶ」の限りある自然環境や資源の中で、格差と貧困を解消し、すべての人びとが心豊かに暮らすことのできる社会を構築するためには、分権的な社会のグローバルな連帯と共生の道を選択する以外に希望はありません。私たち自身も、その希望の選択に向けて全力で取り組む決意をあらためて表明するものです。