【声明】翁長知事の取り消し処分を支持し国交相の「代執行」に向けた行政訴訟に抗議します
【声明】翁長知事の取り消し処分を支持し国交相の「代執行」に向けた行政訴訟に抗議します
-壊したら二度と取り戻せない。辺野古の海と生物と沖縄の民意の尊重を-
2015年11月25日
緑の党グリーンズジャパン 運営委員会
米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への県内移設計画を巡り、石井啓一国土交通相は17日、沖縄県の翁長雄志(おながたけし)知事による辺野古沿岸部の埋め立て承認取り消し処分を撤回する代執行に向けた行政訴訟を福岡高裁那覇支部に起こしました。
政府はこの訴訟の訴状において、翁長知事が取り消し処分の根拠とした「前知事の埋め立て承認の法的瑕疵」について「瑕疵があるか否かにかかわらず、(承認)処分を取り消すことは許されない」「承認に瑕疵がない」と主張しています。しかし、「本件承認には、法律的な瑕疵が存在し…取消しは、法的に許容されるものだ」「国に対し、承認取消し…を尊重するよう求める」とする日弁連の会長声明も公表されており(※1)、私たちも翁長知事の取り消し処分を支持し、代執行に向けた行政訴訟に抗議します。
現在、キャンプシュワブ・ゲート前では500日を超える座り込みが行なわれ、辺野古の海上でも市民の抗議活動が続いています。これに対し、政府は海上保安庁に加えて東京から機動隊まで導入した暴力的な過剰警備で対応しています。さらに、19日の日米首脳会談では安倍首相は「(普天間飛行場の辺野古移設が)唯一の解決策」「確固たる決意で進める」などと発言し、一層強硬な態度を明確にしています。一方、政府が基地建設の正当性の根拠としている「地元の合意」については、地元三区が基地建設そのものに賛成しているわけではなく、政府の説明が事実と大きく食い違っていることが明らかになりました(※2・3)。
私たち緑の党は、今、現地を中心に繰り広げられている市民の正当な抗議行動に心から敬意を表し、環境保護と人権擁護の立場からも、「オール沖縄」の意思と翁長知事の決断を支持し、全国や世界の仲間とともに抗議の声と行動を強めます。同時に、民意を踏みにじり、不法・不当な対応を重ねて地方主権と民主主義を蹂躙する政府の一連の強権的対応と姿勢に、あらためて強く抗議するものです。
※註
1) 日弁連「普天間飛行場代替施設建設事業に係る公有水面埋立ての承認の取消しに関する会長声明」
2) 沖縄タイムス記事「菅氏発言に『ちょっと違う』 辺野古区長ら『地元も賛同』を否定」
3) 東京新聞記事「辺野古容認 地元2区長が否定 基地移設で政府説明と食い違い」
<参考>
10月30日付 緑の党運営委員会声明「不法・不当な手続きに基づく辺野古基地建設工事強行に抗議します」
PDF版はこちら