【声明】安保関連法制案の閣議決定・国会提出に抗議し、撤回を求めます。 -国内外の...

【声明】安保関連法制案の閣議決定・国会提出に抗議し、撤回を求めます。
-国内外の市民とともに、連携・協力して行動を-

2015年5月16日 緑の党グリーンズジャパン運営委員会

政府は5月14日、安保関連法制11本を閣議決定し、翌15日に衆議院に提出しました。

これに先立ち、安倍政権は、憲法9条を実質的に改変する「集団的自衛権行使容認」を昨年7月に閣議決定し、そして去る4月28日、これまでの日米軍事協力の範囲を世界規模に広げる「日米防衛協力のための指針(ガイドライン)」を米政府と合意しました。国会や市民への説明や議論もまったく不十分なまま、内閣の解釈や他国との約束を先行させた法整備によって憲法9条を実質的に改変しようとする安倍政権の姿勢は、民主主義の観点からも重大な問題であり、憲法を骨抜きにし、空洞化させるものです。

一連の法案は、「安全」「平和」を謳いながら、それとは真逆の方向に進もうとしています。「武力攻撃事態法改正案」で定義された「存立危機事態」は、時の政権が「わが国の存立が脅かされ」「国民の権利が根底から覆される明白な危険がある事態」と判断すれば集団的自衛権を行使できるようにするものです。また、「周辺事態法」は法律の根本概念である「周辺事態」そのものを撤回し、地理的制約を撤廃して米国以外の軍隊を支援できる「重要影響事態法案」と変えられています。これらをはじめとして、重大な「改正」が多くの法律案の中に盛り込まれています。

憲法9条のもと、まがりなりにも「専守防衛」を守ってきた戦後日本社会・政治のあり方が、一時の政権の勝手な解釈と強権的な手法によって、大きく変えられようとしているのです。
日本の安全保障にとって必要なのは、憲法の破壊ではなく、その理念・精神の実現であり、周辺諸国との平和で公正・対等な関係、そして東アジア地域の環境保全や資源管理を含めた協力・信頼関係の構築です。
しかし今回の一連の法整備は、9条のもとで「非戦」を貫いてきた日本への信頼を揺るがし、この地域の緊張と対立を一層高めるものです。そうやって高まる対立を理由にして、安倍政権は「だからこの道しかない」と叫び、一層の軍事力拡大と安保法制の強化、そして9条改憲の理由に利用するでしょう。平和を求めるアジアと世界の人々とともに、「この道」を止めなければなりません。

多くの世論調査で、ガイドラインや安保法制、そして辺野古基地建設問題での政府の対応に対しても、反対の声が勝(まさ)っています。与党が多くの議席を占めているのは歪んだ選挙制度の結果であり、民主主義と平和を求める国内外の声は多数派です。
去る5月3日の憲法記念日、緑の党も参加した横浜での憲法集会には、党派を超えて3万人の市民が会場を埋め尽くしました。全国各地で、同様の運動が展開されています。また、先の統一自治体選挙で、私たちは安倍政権の暴走を止めるため、他の政治勢力や候補との連携や協力を試みました。緑の党の自治体議員も多数が参加する「自治体議員立憲ネットワーク」も、超党派で活動を進めています。
私たちは、今後もこうした連携や協力を広げ、自衛隊派兵・戦争参加、「壊憲」に立ち向かうため、力を込めて声を出し、行動していきます。

 

参考:2014年7月1日付・緑の党運営委員会声明
「集団的自衛権行使容認の閣議決定は事実上のクーデタ」

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