【声明】危険きわまりない川内原子力発電所の再稼働に反対します

【声明】危険きわまりない川内原子力発電所の再稼働に反対します

2014年7月21日
 緑の党グリーンズジャパン運営委員会

  原子力規制委員会は、7月16日、九州電力川内原子力発電所1、2号機につき、安全対策が新規制基準に適合しているという審査書案を提示し、了承し、事実上の合格判断を下しました。
 しかし、新規制基準は福島第一原子力発電所事故の原因も究明しきれていない中で策定されたものであり、安全性を担保できる保証はありません。
 福井地裁はさる5月21日、大飯原発3,4号機の運転差止を認める判決を言い渡しましたが、判決は、新規制基準には①原子炉の冷却に不可欠な外部電源等を基準地震動に耐えられるよう強度を上げる、②使用済み核燃料を強固な施設で囲む 等の措置が盛り込まれておらず、この問題点が解消されないまま運転が再開されては安全技術及び施設の脆弱性は継続することになる、と述べています。規制委員会はこの警告を無視し、安全性の担保のないまま川内原発の再稼働を可能にする無責任な判断を下したのです。
 しかも川内原発近辺には姶良カルデラなど複数のカルデラがあり、破局的な巨大噴火が起こる可能性もあります。原子力規制委員会は「破局的な噴火の起こるリスクは極めて低い」「噴火の前兆は把握できる」という九電側の主張をそのまま取り入れましたが、このような判断には多くの火山学者が警鐘を鳴らし、「噴火の事前予測は困難」との意見を出しています。
 言うまでもなく、原発事故は、万が一にでも起こしてはなりません。安倍首相は「安全が確認された原発」を再稼働させると述べていますが、田中委員長は今回の判断にあたり、「(基準に基づき技術的な審査を行なっただけで)安全だとは言わない」と明言している以上、川内原発の再稼働はできないはずです。
 火山学者の指摘や多くの課題があるにも関わらず審査書案が了承されたことは、新規制基準が「世界一の基準」などから程遠い不十分極まりないものであり、自然災害の危険性や事故時の住民の安全を担保するものではないことを逆に証明していると言えます。
 無責任な結論を下した規制委員会の人事を、安倍政権はさらに大幅に原子力推進側に切り替え、全国の原発の再稼働へのプロセスを一層加速させようとしています。
 私たちは審査書案の撤回を強く求めると同時に、多くの市民とともに、人の命をないがしろにする安倍政権の退陣をあらためて強く求めていきます。

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