【声明】原子力規制委員会は原子力推進委員会か? ―国会同意人事案の撤回を求めます

 【声明】原子力規制委員会は原子力推進委員会か?
―国会同意人事案の撤回を求めます

2014年5月31日 
緑の党グリーンズジャパン運営委員会

 

  5月27日、政府は9月に任期が切れる原子力規制委員会の島崎邦彦委員と大島賢三委員の後任に、東京大学教授の田中知氏と東北大学教授の石渡明氏 を充てる国会同意人事案を衆参両院に提示しました。

  しかし田中知氏は、原発を推進してきた日本原子力学会の会長だけでなく、事業者の団体である日本原子力産業協会の役員まで勤めています。このような人物が原子力を規制する任にあたることは、2012年7月3日に内閣官房原子力安全規制組織等改革準備室が公表した欠格要件に該当し、到底認めることのできない人事です。活断層の存在など原発事故を引き起こす危険な要因に目をつむり、防災計画等も不十分なまま、原発の再稼働を何としてでも進めたい政府の意向が現れています。

  今回交代となる地震学者の島崎邦彦氏は、原発の再稼働に向けた安全審査で電力会社に対して厳しい姿勢で臨んでいました。それこそ、福島原発事故を受けて発足した原子力規制委員会の委員としてあるべき姿勢であり、政府の提示した田中知氏らは規制委員として不適格です。

  私たち緑の党は、この度の人事案に抗議し、撤回を求めます。また、国会はこの人事に同意するべきではありません。

  現在の規制委員会で原発事故を防ぐことは不可能であり、安倍政権が市民生活の安全を守ることもまた、不可能です。
  私たち緑の党は今後、さまざまな市民と手をつないで、安倍政権の退陣を強く求めていきます。

注:2012年9月20日緑の党談話「法と民主主義を無視した規制委員会の発足は無効です」
 https://greens.gr.jp/seimei/2912/

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