【世界のみどり】第8回欧州議会議員選挙における緑の党の状況

第8回欧州議会議員選挙における緑の党の状況

5月22日から25日にかけて第8回目の欧州議会議員選挙が行われました。欧州緑の党は地方主義を掲げる欧州自由同盟と統一会派「欧州緑グループ・欧州自由連盟」を形成し、欧州議会には57議席を有していました。EU諸国全体の景気低迷と緊縮財政への反発を受けてEU懐疑派の躍進が予想される中、欧州緑の党は「Change Europa」をスローガンに、欧州緑の党に加盟する33の緑の党と共同で選挙キャンペーンを展開しました。

 今回の欧州選挙にあたり、欧州緑の党は16歳以上すべての人を対象とした欧州緑の党の比例名簿トップを決めるオンライン予備選挙を敢行しました。「Green Primary」としたキャンペーンでは、欧州議員ユースを代表して若手スカ・ケラー(32)と、フランス緑の党からジョゼ・ボヴェ(60)の2人が選ばれ、各地でキャンペーンを展開し、公開討論なども行いました。

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しかしながら、結果は欧州議会への不満を受け皿とする極右政党などEU懐疑派勢力が拡大することとなりました。フランスの極右政党である「国民戦線」をはじめ、イギリスの「英国独立党」、そしてデンマーク国民党などの右派やポピュリストが占めるEU懐疑派が躍進を遂げる一方で、イタリアの「5つ星運動」や、ギリシャの「急進左派連合」などの左派系EU懐疑派も議席数を伸ばしました。今回の選挙結果を通じて、EU懐疑派が議会に占める割合は、751議席中119議席にのぼります。ただし、右から左まで幅広いEU懐疑派は、お互い批判しあう中で一つの会派を形成するのは難しいとされています。

今回から欧州議会の定数が766から751に変更となる中で、「欧州緑グループ・欧州自由連盟」は議席数を5つ減らし52議席獲得。最大議員数を有するドイツ緑の党は、10%以上の得票率を得たものの3議席減、フランス緑の党は、「国民戦線」が国内最大の25%獲得するなど右傾化が強まる中、6議席を失いました。「欧州緑グループ・欧州自由連盟」全体では、5議席減らして52議席(6.9%)となりましたが、欧州議会第四党としての地位は堅持しています。また、欧州議会で会派を組む予定の海賊党は、スウェーデンの海賊党が議席を失う中、ドイツ海賊党がはじめて議席を獲得しました。「欧州緑グループ・欧州自由連盟」の選挙結果は以下の通りです。

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データ出典:
欧州緑の党ホームページ
Wikipedia European Parliament election, 2014

(文責:長谷川 平和)