【声明】 トルコ・UAEとの原発輸出協定の承認に抗議します
【声明】 トルコ・UAEとの原発輸出協定の承認に抗議します
2014年4月19日
緑の党グリーンズジャパン運営委員会
4月18日、参議院本会議において自民、公明、民主各党の賛成多数で、トルコとアラブ首長国連邦(UAE)への原発輸出を可能にする原子力協定が承認されました。与党に加えて、民主党までもが賛成に回ったことは、許されないことです。
何よりも、事故の収束も原因究明もままならず、未だに約14万人もの人々が避難を強いられている中で、日本が他国に原発を輸出することは明らかに倫理に反します。
また、安倍首相がトルコなどへの「トップセールス」で掲げた、「世界最高の安全基準」という看板は非常に拙劣なものです。現在の日本の規制基準は、欧米の基準にすらはるかに及ばない未熟なものです。欧米の基準に基づけば、日本の原発は一基も運転ができないレベル(注)です。
さらに、規制基準だけでなく、原子力技術に関しても、日本は汚染水流出への対応の相次ぐ不備に見られるように、他国への輸出などもってのほかと言わざるを得ません。
この日本の原子力技術を売り込む安倍政権、そして、その輸入を検討するトルコやアラブ首長国連邦(UAE)の政府が、第一に守るべき自らの国に住む人々の生命と健康をないがしろにすることは、到底容認できません。とりわけトルコに関しては、地元の反対、地震国であること、核拡散への懸念など様々な問題が指摘されています。
私たち緑の党は、原発輸出協定の承認に強く抗議すると共に、政府が現在進めているブラジルやメキシコなどとの協定交渉を中止するよう求めます。
【注】例えば、溶融した炉心を貯留し冷却するコアキャッチャーや航空機の衝突に耐える頑強な格納容器など、欧州の基準(EUR)で義務付けられている重要設備が、日本の新規制基準には入っていません。
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