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【世界のみどり】オーストラリア緑の党上院議員が福島について言及

2012/09/30

スコット・ラドラム上院議員7月の緑の党結成総会とイベントに参加し、福島を訪れたオーストラリア緑の党スコット・ラドラム(Scott Ludlam)上院議員が、連邦議会での発言で、「福島」「日本の緑の党」について言及しました。

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福島訪問

2012年8月23日
スコット・ラドラム上院議員、西オーストラリア

 ■BHPビリトン社のウラン採掘拡張中止を受けて

 本日午後、ニュース等でご承知のようにBHPビリトン社がウラン採掘の拡張計画を中止しました。このニュースに触れるところから私の意見を簡潔にお話しします。

 この拡張計画は実現すれば世界最大のウラン採掘事業となり、掘削規模も世界最大となったものです。もちろんビリトン社の決定理由について推測や憶測が多数流れていますが、流通価格の低下が大きな要因でありましょうし、このような巨大プロジェクトの推進には常に困難がつきまとうことも事実でしょう。
 ここで指摘しておきたいのは、昨年の3月11日に発生した福島第一原子力発電所の大惨事以降、ウラン価格が世界的に暴落していることです。従来の市場分析などではこの観点が軽視されているようです。BHPの計画中止決定にこのことが影響しているのはまちがいないと思いますが、私がずっと疑問をもっていたのは、生産地が新ロックスビー地区であろうと北部準州のレインジャー坑であろうと、出荷されたウランがどうなるのかということでした。どこへ送られるのでしょうか。

■福島市の佐々木慶子さんの居間、南相馬の公園に見たオーストラリア産ウラン

 もっと多くのオーストラリア国民にこの疑問をもって頂きたいのです。もちろんもっと多くの政治家にも。なぜなら、お金は気にしていても危険についてはあまり気にしてこなかったからです。

 私たちが売ったウランの行き先を知ろうとして、私は先の冬期休会中に東京と福島県を数日ずつ訪問しました。
 福島では太平洋岸にあるフクシマ原発から内陸に60キロメートルほど離れた福島市と、発電所の北にある沿岸の町をいくつか視察し、そこで出荷したウランを見つけました。ウランの一部はセシウムに変わっていました。セシウムは原子炉内で中性子を浴びて不均等に分裂してできた放射性の破片ですが、元はウランです。オーストラリアのウランは私の足元に、住む人のなくなってしまった元の飯館村に隣接した農地の土に、たくさん含まれていました。私の訪問中、そこでは防護服とマスクをつけた2、30人の作業員が機械作業で農地から表層50センチメートルの土を少しずつ除去し、黒い袋に入れて積み上げ、青い防水シートをかけていました。この土をどこへ運ぶのか、そもそもなぜこの作業をしているのか、まったくわかりません。
 オーストラリア産のウランはセシウムとなって、福島市にある佐々木慶子さんの居間にもありました。そこでの空間線量はこの議場ともし比べたなら、あるいはオーストラリアの通常の環境と比べれば、2倍から3倍のレベルです。
 このセシウムが、避難せず自分たちの家に住みつづける限り、無意識のうちに浴びるバックグランドレベルの放射線に加わったのです。

 オーストラリア産のウランは南相馬市の公園にある小さな丘にも埋まっていました。
 沿岸部にある南相馬市はフクシマ原発からの降下物が他の避難勧告の出された地域よりも少なかったところです。しかし19,000人の犠牲者を出した3月11日の津波で完全に破壊されました。この公園の表層あったセシウムなど核分裂生成物は、市当局や住民による放射線モニターと作業の結果、16か月以上かけてようやく表層土とともに取り除かれました。木の皮にもサンドブラスタをかけて、汚染した表層土とともに公園の「丘」に埋めたのです。子どもたちが16か月間も戸外で遊べなかったことによる心理的苦痛や運動不足やビタミンDの欠乏を心配し、放射線暴露による長期的な慢性疾患の危険とを衡量した苦しい選択だったでしょう。

 オーストラリア産のウランは魚類にも含まれています。食品にも生鮮品にも混ざっています。そのような産品はもはや販売できません。オーストラリア産のウランは園芸品にも混ざっていました。どの産業も破壊されました。福島県全体で。

■オーストラリアの企業が採掘し、輸出しているものは「国を滅ぼす危険性」

 訪問先の人々とずいぶん長い間語り合い、3月11日にこの東北地方を襲った災害の大きさがはっきりしてきました。
 福島第一発電所付近で津波の高さは14メートルに達しており、この高さは東京電力が発電所に建設してあった防潮堤の2倍以上でした。発電所では地震で2名の所員が亡くなり、残る所員は完全に停電してしまった発電所での格闘を余儀なくされました。原子炉はすぐに規定どおり停止されましたが、停止された炉でも崩壊熱は大量に発生するので温度が上昇し、1時間後には燃料体の融解が始まりました。それはついに4基全部の水素爆発につながり、原子炉建屋が破壊され、文字どおり現場所員は最悪のシナリオに直面することになったのです。つまり現場での対応は危険なため所員はすべて退避し、残された原子炉に日本の将来を任せる。もしそうなったら本州の北半分からは避難しなければならないし、首都圏の3千万人も避難が必要になると当時の首相だった菅直人が数か月あとに語っています。

 何百万人もの日本人が、被害を受けた地域だけでなく国中の人が、もし、サイコロが違う目を出していたら、国を失うことになりかねなかったと知りました。元首相が、去る9月にジャーナリストに「それは重大な瞬間だった。日本という国が成り立たなくなると思った。」と語っています。
 その原因はここから行きました。オーストラリアから行ったのです。
 世界最大のウラン鉱山の拡張計画についてBHPがジレンマを持っていようと、今夜私は一滴も涙を流しません。

■日本の緑の党は原子力ムラから日本を取り戻す

 日本の緑の党結成に立ち会うことができて、私は大変幸運でした。それは、ここオーストラリアの党の歴史を鏡のように見ているようでした。我々は、世界的な党です。世界各国の緑の党が地方議員や国会議員を擁しています。南アジアに、東アジアにおける我々の足跡は広がっています。日本にとって我々は、行き詰った政治体制への答えです。原子力産業は今、原子力マフィア(原子力ムラ)と呼ばれています。自らの利益に走り、日本社会に深く根付いている非常に危険な犯罪集団とされています。

 私が東京で参加したデモは、私の人生で最大のものでした。人々は、国を取り戻すために、道を取り戻すことができました。日本人は忍耐強い民族です。しかし、その忍耐も限界に達しました。事態は変わりました。日本の緑の党結成に立ち会うことができたことを誇りに思います。日本では、国政選挙の書類を提出するためだけで6万から7万オーストラリアドルが立候補者1人ごとに必要だと言います。彼/彼女らはできると思います。彼/彼女らは何がかかっているかを知っています。戦後の日本で繁栄を欲しいままにし、遂に国を破滅の危機に追い込んだ既存の権力構造に、切り込んで行くのはどんなに困難か知っています。

 国を失う可能性はまだあります。いつ来るか分からない、残酷で不幸な地殻変動が、もう1回起こったら、それが4号機に起こったら。4号機は、津波が襲ったとき稼働していませんでしたが、建屋の破損は深刻です。
 その上部のプールに1,500本以上の使用済み核燃料が、今も非常に不安定な状態にあります。だから、ロックスビーウラン鉱山の拡張を止めさせねばなりません。決して実現しなかった、また実現させてはならないジャビルカ、アルカルーラ、クンガラ、アンジェラ・パメラ、トロ社のウィルナプロジェクトのように。

 いろいろ見せて回ってくれた人たちには、大変お世話になりました。
 汚染された地域や海岸線を見せてくれました。日本緑の党は、前途に大きな仕事が待ち構えています。彼/彼女らは挑むでしょう。私は、この地から日本の皆さんに深い感謝を送ります。郡山昌也さん、川崎あきらさん、メルボルン出身のメリー・ジョイスさん。佐々木慶子さんのお宅のリビングルームでは、避難できない場所で生きるとはどういう事か身を持って知ることができました。松本なみほさん、足立力也さん。そして村上夫妻は、津波が襲った午後、彼らの住む地域の人をすべて流し去ったことを話してくれました。南相馬からさほど離れていない仮設住宅で、日本の伝統的な村にあったお互いに助け合うコミュニティを復活できたこと、村の再建を待ち望んでいることを話してくれました。

■BHPビルトン社はウラン採掘をやめ、太陽エネルギーの利用を

 BHPに望みます。BHPは天の言葉に耳を傾け、彼らの投資を、毎日空から落ちてくる、尽きることのない無料のエネルギーにもっと向けることを望みます。
 皆さん、電子を電線に流すなら、核分裂を使うより上手い方法があります。
 連邦議員の皆さん、ありがとうございます。

                           (翻訳:緑の党翻訳チーム)

9/30 21:08: 「BHPは壁に書かれていることを見て」→「BHPは天の言葉に耳を傾け」に訂正しました。

10/2 17:40 ■で始まる小見出しを国際局で付しました

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【参考】

英文原文(English text)
http://scott-ludlam.greensmps.org.au/content/speeches/visiting-fukushima

英語発言動画(English speech movie)  10分
Senator Scott Ludlam post Fukushima visit speech

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