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【世界のみどり】 TPPに関する、緑の党三カ国による共同声明

2012/09/16

TPP交渉に参加する三カ国(カナダ、ニュージーランド、オーストラリア)の緑の党が共同声明を発表しました。

  カナダ党首エリザベス・メイ      ニュージーランド共同代表メテリア・ツレイ  ラッセル・ノーマン      オーストラリア党首クリスティン・ミルン
  カナダ党首エリザベス・メイ   ニュージーランド共同代表メテリア・ツレイ  ラッセル・ノーマン   オーストラリア党首クリスティン・ミルン

環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)に関する、緑の党三カ国による共同声明

2012年8月19日

 TPP交渉の渦中にある3カ国で活動する緑の党は,根源的に非民主的で不透明なTPP協定に対して重大な懸念を表明すべく、ここに共同声明を発表 する。TPP協定の文書のうち投資の章の文書が漏洩して以来、我々は、このTPP協定が効果的に国を治める自国政府の権能を損ねる恐れがあると認識し、非常に憂慮してい る。TPP協定の諸条項によって、安全で、安価な価格の医薬品が入手しづらくなり、メディア(※映画やテレビ番組等の)に対する現地調達規制は軟 化し、ハイテク技術の革新は阻害され、さらに、将来、政府が公衆衛生や環境のために立法措置をとる権能さえ制約される可能性がある。
 また我々は、交渉過程の透明性が確保されるべきだと確信している。本協定は民主社会では容認できないほど機密性が高く、交渉は閉ざされた扉の向 こうで進んでいる。

自国の法令を定める権利
 オーストラリア、カナダ、ニュージーランドの政府は元来、国民の健康や、消費者、労働者、環境に資する自国の法律を制定する権利を有している。漏洩したTPPの詳細から判明したのは、カナダやニュージーランドの国会または地方議会が、外国投資家や企業の利益を損ねる、または経営に負の影 響を及ぼす法律を通過させた場合、外国の投資家や企業は、カナダまたはニュージーランド(政府)を、国際仲裁機関に訴えることができる、という内容である。その対象となる法律には以下が含まれる(※オーストラリアは現在、この「ISDS条項」に同意していないため除外):-紙巻きタバコやその他のタバコ製品に、「警告」を表わす大きな絵図を付与する、または「プレインパッケージ」(販促効果のない、単調な柄の箱や包装)使用を義務付ける法令(カナダとオーストラリアでは既に導入済み、ニュージーランドでも今後導入予定)-遺伝子組換え食品・飲料の表示を義務付ける法令-カナダにおける乳製品の供給管理体制のような、農家の最低限の生活を守ることを目的とした農業規制を維持する法令 現在、オーストラリア政府は、政策で決定された法令の影響から多国籍企業を保護しようとするこのような条文には合意しない意向を示している。しかし、ニュージーランドとカナダは足並みをそろえることを拒否している。(カナダはNAFTAのもとでおこなわれた訴訟により、膨大な費用を負担し ているにも関わらず、である)

自由なインターネットの終焉
 TPPは、国内法では認められないような、インターネット利用に関する広範で厳しい法律で加盟国を拘束する手段をなんとか導入するために利用され ているのではないか、と我々は確信している。例えば、些細な非営利目的の著作権侵害に対する厳罰、著作権侵害にあたるホームページや“コンテンツ”を「まず停止させてから、尋問する」という方法、インターネットプロバイダーがプライバシー保護の予防手段を講じることなく(※著作権侵害を していると言い立てられたユーザーの)個人情報を当局に開示する可能性、などが含まれている。欧州議会は、同様の狙いをもつACTA(※模倣品・ 海賊版拡散防止条約)を圧倒的多数で否決した。(※日本の参議院ではほとんど審議もせず、圧倒的多数で可決)そしていま、同じ類の規制がTPPによって課せられようとしている。

大企業のための知的所有権
 2011年2月、知的所有権に関する章の条文が漏洩した。我々は、もっと緩やかで中庸な条文が採択されないかぎり、ニュージーランド、カナダ、 オーストラリアの消費者や学校、図書館は本やDVDに今より高い代価を支払わなければならなくなるだろうと予測している。著作権を持つものが、並行輸入を拒否することができるからである。中小規模のソフトウェアやIT関連企業も、特許法に制限されて、革新的な展望を圧殺されてしまうだろ う。そしてなにより、巨大製薬企業は、オーストラリアやニュージーランドの政府関係機関が信頼のおける、低価格の医薬品を手に入れることのないよう、この条項を利用することになるだろう。

閉ざされた扉
 我々が入手したTPPの条文に関する情報の大部分は、漏洩した文書から得られたものである。これは、交渉担当官が、国民の目に触れさせたくなかったものである。影響を受けることが必至の一般市民から、充分に開示された情報に基づく意見を集約せず、これだけ重要な協定が妥結されるべきではない。
 しかし一方、AT&T、ベライゾン(Verizon:携帯電話事業者)、シスコ(Cisco:ネットワーク機器)や大手医薬品企業、米国映画協会らの代表者は、条文を入手することが可能とされている。そして、民主的に選出された議員、保健や環境問題に取り組む団体、一般市民は蚊帳の外である。
 アメリカを含む政府はこれまでに、協定の条文の草稿を公開したことがあった。2001年には、米州自由貿易協定(FTAA)の全9章が提示されて いる。このときの情報公開では、貿易交渉の過程が「より透明性が高く国民の手に届く」ものになったとして、「重要な一歩」であると言われた。も し、これが2001年時点での、国民への説明責任の基準ならば、同様の基準が2012年の時点で実現していないことに当惑せざるを得ない。
 我々3党は、持続可能な開発と新しい雇用の創出を促進し、環境保全と人権擁護(団結の自由や団体交渉を含む)を伴う、公正で、真に進歩的な通商協定のみを支持することをここに共同で宣言する。我々は、それぞれの政府に対して,TPP協定をめぐる秘密のベールを取り払い、交渉過程のなかで国民の情報や意見を受け入れるよう要求するものである。

(翻訳:磯田 寛  監修:廣内かおり)

※出典:「TPPに反対する人々の運動」のHPより
http://antitpp.at.webry.info/201208/article_10.html

※原文:緑の党カナダ(Greens Party of Canada)HPより
http://www.greenparty.ca/statement/2012-08-21/joint-statement-trans-pacific-partnership-agreement-green-party-aotearoa-new-ze

 

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