【世界のみどり】フランス緑の党 統一自治体選で大躍進

フランス統一自治体選挙でグリーン・ウェーブ!

地域から力を合わせて、気候危機に立ち向かおう!

 

 フランス緑の党(EELV、ヨーロッパ・エコロジー・緑の党)が、6月28日の統一自治体選挙2回目投票で歴史的勝利を収めました。リヨン、ボルドー、ストラスブール、ポワティエ、ツール、グルノーブル、ブザンソン、アヌシーの市議会で多数派を獲得し市長を輩出しました(注)。パリでは、社会党の現職イダルコ市長が緑の党と共闘して再選しました。飛行機メーカー、エアバスの本社のあるトゥールーズでは、共和党現職市長に敗れましたが僅差でした。


選出された新しい市長たち フランス緑の党HPより https://www.eelv.fr/

25年間保守市政が続いた第2の都市マルセイユでも、緑の市長(初の女性)誕生
France 3 Régionsより https://france3-regions.francetvinfo.fr/…

 マクロン大統領が立ち上げた政党「共和国前進」は、ルアーブルで市長再選を決めたものの、他の主要都市ではいずれも多数派を獲得できず、政権の不人気を裏付ける結果となりました。他方、国民連合(極右)は、ペルピニヨンなど10都市で多数派を獲得しましたが、地方の支持基盤を強化できませんでした。

 フランスでは、新型コロナウイルス拡大によるロックダウンの2日前に統一自治体選挙1回目の投票が行われましたが、2回目投票は6月28日まで延期されていました。投票率は、前回の52.4%から40%に下がりました。

 フランス緑の党の代表ジュリアン・バイユー氏はスピーチの中で、「黄色いベスト運動、ブラック・ライブズ・マター、MeToo、気候正義を求める運動は、環境正義、公正な社会、民主主義を求める多くの人々の痛みと時代の緊急性の現れです。」「緑の市長たちは明日から、まちのために、地球のために働くでしょう。」「人々を縛り、地球を壊してきた社会システムを転換して、未来の世代のために新しい世界をつくりましょう。」と述べました。

(注)フランスの自治体議会選挙は、人口に応じて制度が異なりますが、政党別候補者リストへの2回投票制です。第1回投票で過半数を獲得した政党がなければ、2回目の投票が実施されます。過半数を得た政党に議席の半数が配分され、残り半数の議席は比例配分されます。市長・副市長は、議員の中から選ばれます。市長は、通常、多数派政党のリストの筆頭候補者です。

 

 

フランス緑の党HPより:代表ジュリアン・バイユー氏のスピーチ
https://www.eelv.fr/municipales-2020-discours-de-julien-bayou/

 

欧州緑の党HPより:フランス統一自治体選挙:グリーンウェーブがフランスの都市に転がる
https://europeangreens.eu/content/municipal-elections-france-green-wave-rolls-over-french-cities