【世界のみどり】9月、ノルウェー、ドイツで総選挙

総選挙での投票を呼び掛けるドイツ緑の党のウェブサイト

総選挙での投票を呼び掛けるドイツ緑の党のウェブサイト

2017年は選挙の年と注目されていたヨーロッパ。2016年にアメリカでトランプ大統領誕生という衝撃から、ヨーロッパでも右派ポピュリズム的な政党が躍進するのではと懸念されていましたが、これまでを振り返ると、それは杞憂だったようです。

3月のオランダ下院議会選挙では与党自由民主党が政権を維持する中、右派政党自由党(PVV)は奮わず、オランダ緑の党が10議席増の14議席を獲得しました。5月のフランス大統領選挙でも、右派政党「国民戦線」ルペン氏は敗れ、中道系の独立候補のマクロン氏が勝利。6月のイギリス総選挙では、イギリス緑の党も積極的に動いた進歩同盟の効果もあり労働党が躍進し、大勝が予想されていた保守党が過半数割れという結果でした。

9月11日のノルウェー総選挙では、結果としてはソールバルグ首相が率いる中道右派政権が左派勢力に僅差で勝ち政権維持となりましが、両勢力の差は縮まっており、政権基盤はこれまでより脆弱になりそうとのこと。今回の選挙で特徴的なことは、ノルウェーで最大規模の政党「労働党」が大敗する中、新しい左派政党が支持率を伸ばしたことでしょう。既存の大政党から新しい左派政党へとヨーロッパの人々の支持が移っていることを感じさせます。前回2013年の選挙で得票率2.8%だったノルウェー緑の党は「石油開発の縮小」を掲げて闘いました。「しきい値」とされる得票率4%を超えることはかないませんでしたが、得票率は3.2%と上昇し、議席1は維持したとのこと。さらなる躍進を期待しましょう。

そして、いよいよ9月24日はドイツ連邦議会選挙。ドイツでも右派の新党AfD(ドイツのための選択肢)の台頭が懸念されていましたが、このところの選挙報道をみると、メルケル首相のCDU(キリスト教民主同盟)が優勢。関心は連立を組むのはどの政党かとなっているようです。これまでどおりドイツ社会民主党と組むのか、それともドイツ緑の党+ドイツ自由民主党との連立政権か。ドイツ総選挙の結果と分析は10月の「世界のみどり」で。


参考サイト
■ノルウェー総選挙、中道右派政権が継続へ
https://www.nikkei.com/article/DGXLASGM12H1F_S7A910C1000000/

■ノルウェー総選挙 右派勝利で首相再選か、現地より写真レポート
https://news.yahoo.co.jp/byline/abumiasaki/20170912-00075656/

■Norwegian parliamentary election, 2017
https://en.wikipedia.org/wiki/Norwegian_parliamentary_election,_2017

■How Germany's election could shake the EU
https://www.cnbc.com/2017/07/31/german-election-eu-merkel-schulz-cdu-spd-fdp-europe.html