【世界のみどり】台湾緑の党声明「台湾政府による中国との貿易交渉について」


先週(3月18日)から始まった台湾の学生による立法院占拠について、台湾緑の党が発表した声明がアジア太平洋緑の党連盟(APGF)のウェブサイトに更新されています。

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2014年3月21日

台湾緑の党声明「台湾政府による中国との貿易交渉について」

信愛なる緑の党のみなさんへ

学生が台湾の立法院(国会にあたる)占拠を始めて一週間、台湾緑の党の役員は立法院の内外で行われる連携行動に積極的に参加してきました。 私たちは全支持者に何らかのかたちで参加するように呼びかけました。 政治屋たちの利益誘導に対するこの「市民蜂起」は見過ごせない重要なものであり、緑の党は全面的に支持します。 私たちの事務所は立法院から2ブロックも離れていないところにあるので、誰もが立ち寄って、休憩をしたりシャワーを浴びたりできるように24時間開放しています。

台湾緑の党は、このずさんで性急な中国との貿易協定が加速されることについて、私たちの立場を以下のとおり表明します。

1、第一に、私たちはあらゆる国際貿易における交渉は透明な手続きによって包括的な法的枠組みのもとに設定されなければならないという立場を支持します。

2、国土のさらなる環境破壊を防ぐため、緑の党は現在争われているような中台間のサービス貿易協定を中止することを要求します。この協定によって公的財産である重要な公共サービスが民営化されてしまうからです。

3、台湾緑の党は、搾取を促進し貧富の差を拡大させる、いわゆる「自由貿易合意」の全てに反対します。 台湾政府はこれらの合意が現在の産業を危機に直面させている構造的要因であることに気づくべきです。 政府は地域経済を発展させ、持続可能なグリーン産業を促進する役割を果たすべきなのです。

馬 英九政権は「もし私たちがこの中国との貿易協定に署名しなければ、台湾は韓国に遅れをとってしまう」と台湾の市民を脅してきました。学生による占拠が6日目となっても尚、同じことを言っています。
彼らは学生や市民が言っていることについて合理的に考える能力を完全に失ってしまったのではないでしょうか? 台湾の経済は長期にわたり、安い労働力、安い地価、安い設備によって支えられてきました。このような状況では技術革新や創造性へのインセンティブは生じ得ません。 それがいわゆる競争力消失の理由なのです。 このような目先の利益だけを追及する政策は長く続けられすぎました。 緑の党は政府に対し、中国経済頼みの浮足立った産業政策ではなく、社会や自然環境を破壊することのない持続可能な産業政策への転換を求めます。

4、緑の党は、現在の不公正な貿易協定に基づく世界経済ではなく、エコロジーな(=生態系維持が可能な)世界経済を求めます。 私たちは必ずしも中国との協働と貿易全てに反対するわけではありません。しかし、これから国や地域で取り決められる協定は当事者主権を守るものであるべきです。


(仮訳:緑の党国際部)
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原文:Green Party Taiwan Statement on the Taiwan government’s trade negotiations with China http://www.asiapacificgreens.org/node/2577