(保存用)政策⑨非暴力的手段で平和なアジア・太平洋を創り、世界の平和と安定に向けてイニシアティブを発揮する

 

⑨  非暴力的手段で平和なアジア・太平洋を創り、
   世界の平和と安定に向けてイニシアティブを発揮する

 

現状と課題

富と資源・エネルギーを求めるグローバル経済活動と各国の思惑が、世界各地の紛争や抑圧、貧困と飢餓を生み出しています。そして、それが大国に対する「聖戦」や「自爆テロ」を生む温床にもなっています。紛争を解決するための国連などの国際機関の力は、まだ不十分です。

また、大国が核兵器を独占しようとする一方で、それを背景にした権力構造は、北朝鮮・パキスタン・インド・イスラエル・イランなどの核開発の動機になっています。

「平和憲法」を持ち、被爆国でもある日本は、世界の紛争の解消や非核化に向けて十分なイニシアチブを発揮できていません。それどころか、戦後補償や戦争被害者への謝罪が不十分なまま、米国との「同盟」関係を優先させ、北東アジアの冷戦構造を固定化し、不信と対立を拡大しています。そして国内では米軍基地問題に見られるように、沖縄県民をはじめ国民に多くの犠牲を強いています。中国の覇権的な外交政策や人権問題、北朝鮮の拉致問題や飢餓、各国との国境・領土問題や歴史認識問題などを解決するためにも、日本自身がこの地域の相互理解や信頼感の醸成、平和と安定に向けた役割を積極的に果たす必要があります。

一方、紛争下の暴力が、社会的・性的弱者に特に集中するという現実は、経済や大国の利害、国際的な政治力学だけでなく、文化やジェンダーの問題との関連を常に深く考えることが平和な社会のために必要であることを明確にしています。

 

個別政策

  • 憲法9条を将来にわたって堅持することを国際社会で明言し、平和外交会議を内閣に置き、日本の外交、国際協力、防衛、通商政策を担当する。
  • 核保有5大国への核実験の即時停止(臨界前核実験も含む)と核軍縮の実行、期限を定めた核兵器全廃を迫るとともに、5ヵ国以外の核保有国に対しても核開発の停止を要求する。
  • 平和市長会議の掲げる「核兵器禁止条約」等の取り組みを支持し、協力して国際社会に働きかける。
  • 軍事同盟としての日米安保体制の解消に向けた議論と交渉を開始し、米国や関係周辺国と対等・友好な関係を築く。
  • 上記と併行して日米地位協定の見直し・改定、不平等条項の撤廃を進め、基地周辺環境と住民の生命・財産・人権を守る。
  • 在日海兵隊基地(在沖縄米軍基地の75%及び岩国基地など)をはじめ、すべての在日米軍基地の閉鎖を求める(2030年までにゼロへ)。
  • 総額3000億円以上の米軍駐留関連経費(「思いやり予算」を含む)は2015年 までに廃止し、基地が撤去されるまでは米軍側に公正な負担を求める。
  • 徹底的な軍縮に向け自衛隊を削減、防衛予算の大幅縮減を図り、迎撃ミサイルシステム(MD)などの新規大型兵器の導入を取り止める。
  • 将来的に自衛隊は災害救助組織への改組を目指す。
  • 軍隊性奴隷(いわゆる「従軍慰安婦」)問題や戦後補償・賠償など、戦後問題の解決を図りつつ、北東アジアにおいて、六者協議の推進、日朝平壌宣言の理念の実現、非核地帯構想をはじめ、平和構築のための枠組みや政策を積極的に推進し、これらの交渉過程を通じて相手国との信頼関係を深化させる。
  • 国境問題や領土領有の係争問題、拉致問題なども、上記の施策と併行して解決を図る。また、領有権が問題となる地域にあるエネルギーや資源の共同管理と、多国間の協力による環境保全などを目指す。
  • 戦時国際人道法の軍民分離原則に基づくに関連国内法整備を図る
  • 非核・平和条例やいわゆる「神戸方式」等、市民とともに自治体自身がその主権を行使することによって平和を創り出す主体となり得るような政策作りを推進する。
  • 米軍・自衛隊に依存する「基地経済」からの脱却と自立をめざす自治体支援のための法整備を進める。
  • 基地撤去後の沖縄の「平和立県」を支援し、平和に関わる国際機関の拠点誘致、平和構築のための人材育成や対話の場の設置、政府やNGOの緊急人道支援の拠点整備などを促進する。
  • 1999 年の「ハーグ国際アピール」に基づいて始動したプロジェクト「国際非暴力平和隊」構想を支持し、推進する。
  • 紛争の解決のための国家や国際機関等の武力行使や介入に対しては、厳密かつ公正で合理的な理由と条件を明確化することを求め、介入の前後を通したNGOも含めた公正な機関による検証や補償に関する制度の整備を求める。
  • 「国際刑事裁判所」の機能向上を図るとともに、米国も含む未批准国の批准を求める。さらに、「アジア人権裁判所」(個人が企業や国家を提訴できる)の実現に向けイニシアチブを発揮する。
  • 武器輸出三原則を法制化するとともに、厳格な「武器貿易条約(ATT)」の締結やクラスター爆弾、劣化ウラン弾など「非人道兵器」の全面禁止に向けてイニシアチブを取るなど、国際間の武器売買の規制と削減を実現する。
  • 金融資本・取引に対する課税(トービン税・国際連帯税等)により、国際経済の安定化と貧困地域への援助財源に充てる。
  • 国際協力政策にあたっては、「主体」としての現地住民、市民・NGOの役割を重視し、ODA((政府開発援助)の公正性・透明性をさらに高め、途上国の住民や地域の「真のニーズ」に寄り添いながら、社会開発分野など「人間」に関する分野を拡大し、その質を高める。
  • 東アジア地域での歴史認識共有のための国際的な議論や検討を進める。
  • 民族・人種や性およびジェンダーなどによる法的・文化的差別を撤廃するよう努める。
  • 在日外国人に対する理解や人権の尊重を図り、多文化・共生社会をめざす。
  • 教育機関における「非暴力」の理念と実践に関する教育プログラムの実現に努める。