【談話】 選択的夫婦別姓の導入を ―少数者の人権が民主主義の試金石

【談話】  選択的夫婦別姓の導入を ―少数者の人権が民主主義の試金石

 

                                        2013年6月4日
                                         緑の党共同代表 長谷川ういこ

 5月29日、東京地裁(石栗正子裁判長)は選択的夫婦別姓を否定するこれまでの政府の不作為政策 を「違憲とは言えない」として棄却する判決を下しました。しかし、この判決は、「選択的夫婦別姓制度の採用に対する期待が大きく、積極的に求める意見が多いという社会情勢にある」ことを指摘しており、不作為政策を正当化するものとはいえません。
 生まれながらの姓名で学業や仕事を積み重ねてきた女性・男性にとって、姓の変更を強いられることは人格を否定される慣行です。それは、「男性・女性のどちらの姓を選ぶかが選択できるから」と言って、目をつぶることができる問題ではありません。

  「いずれか一方は姓の変更を強制され、姓を維持しようとすれば婚姻できない」として、婚姻の際に夫婦が同姓を名乗ると定めた民法750条が憲法や女性差別撤廃条約に違反するとした原告の指摘は全く正当なものです。そして、1996年に法制審議会が選択的夫婦別姓の導入を答申し、法務省も法案要綱を公表したにもかかわらず、国会が立法措置を怠ってきたことは、決して容認できるものではありません。また、少数とはいえ、姓を変えたくないために婚姻届を出さず、更には離婚届を出すカップルがいるなど、同姓を強制し続けることは、決して「家族の絆」という目的に資するものではありません。
 
私たちが求めているのは、決して全ての夫婦を別姓とすることではありません。あくまで「選択的」な夫婦別姓です。諸外国の例をみても、選択的夫婦別姓が導入されたとしても、それを選ぶ夫婦はあくまで少数にとどまると考えられます。しかし、少数者の人権が守られるかが民主主義の試金石です。

  私たちは、この訴訟を引き続き支援するとともに、立法の場で法改正を提起すべく、国政の議席獲得のために挑戦します。

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