【談話】第26回参議院選挙を受けて

【談話】第26回参議院選挙を受けて

2022年7月12日

緑の党グリーンズジャパン共同代表

中山 均 松本なみほ 尾形慶子 橋本久雄 

 

7月10日、第26回参議院選挙の投開票が行なわれ、結果が確定しました。報じられている通り、自民党が大勝し単独過半数を確保、立憲民主党が大幅に後退し維新が躍進、改憲勢力が2/3を超えるという結果となりました。今回の厳しい結果をまず受け止めます。

 

緑の党が推薦した全国比例候補のうち、つじもと清美さんと福島みずほさんは当選を果たし、長谷川ういこさんは残念ながら及びませんでした。選挙区では緑の党が推薦・支援した7名のうち、当選は2名にとどまりました。

与野党の対決となった1人区の選挙区では、野党共闘の不調・不成立などもあり、議席のほとんどを自民党候補が占めましたが、長野や沖縄などの結果は私たちに希望をつなぎました。

与党大勝の中で当選を勝ち取った候補や仲間たちを讃えるとともに、緑の党の推薦候補や各立憲野党の陣営関係者、それらを支えた全ての皆さんに心から敬意を表します。

 

投票日の2日前に起きた安倍元首相の銃撃死事件を「民主主義への挑戦」などと与党が誇張し、マスコミも生前の「功績」を美化し、野党までもが政権批判を控えたことはこの結果に一定の影響を与えたことは否めません。

しかし、それがなかったとしても大きな傾向は変わらなかったでしょう。野党側は、政権与党による一部野党や連合の「抱き込み」に有効な手立てを打つことができず、分断や相互不信を許してしまいました。また、「岸田インフレ」や「消費税廃止」の主張だけでは不十分で、与党と対峙する明確な対抗軸を設定することができず、有権者に対する魅力的で大胆な社会ビジョンの提示に失敗したと言わざるを得ません。その中で岸田政権の政策に批判的な層も含め、不安の中で多くの有権者が「安定」を選択したと言えます。野党側の戦略・戦術の建て直しが必要です。

 

ウクライナでの戦争を機に高まる世界的な軍事対立の激化と軍備増強、その一方で進む途上国の貧困化や先進国内の格差の拡大、深刻な気候危機の進行-こうした問題に正面から取り組み、奪い合いから分かち合いと連帯の社会経済に向けた根本的転換と、そのための緑の政治勢力が日本でも必要であることを、私たちはあらためて確認します。

しかしそのための力はまだ十分ではありません。

緑の党は今年で結党10周年を迎えます。今回の厳しい選挙結果を直視しつつ、これまでの10年を振り返り、緑の政治や社会ビジョンの深化と明確化、組織の強化を図りながら、党内外の仲間や市民と力を合わせ、今後予想される困難な政治状況に全力で立ち向かっていきます。

PDFファイルは⇒ https://greens.gr.jp/uploads/2022/07/641224bd3c54a8de9fd473ee8a65845c.pdf