ホーム > 【声明】日本政府がNDC「2013年比46%削減」を表明 -さらに野心的で実効性ある削減・・・

声明・見解・論説・時事コメント

【声明】日本政府がNDC「2013年比46%削減」を表明 -さらに野心的で実効性ある削減・・・

2021/04/23

 

【声明】日本政府がNDC「2013年比46%削減」を表明

-さらに野心的で実効性ある削減目標と計画、持続可能な未来を!

 

                                                         2021年4月23日

                                            緑の党グリーンズジャパン運営委員会

4月22日から開かれている気候サミットにおいて、菅首相はNDC(気候変動に関する国別目標)を「2013年比46%」に引き上げると表明しました。これまで国際的に批判されていた「26%」から見れば大きな上乗せですが、現在の排出量から「2050年実質ゼロ」に向けて直線的に削減するための計算上の帳尻合わせに過ぎない側面を否めません(※1)。

それに加えて、私たち緑の党グリーンズジャパンは、この目標は以下の4点において重大な問題・欠陥があると考えます。

1.2050年ゼロエミッションには、10年間に60%以上の温室効果ガス削減が必要

国際的な研究機関「Climate Action Tracker」は「1.5℃目標と整合させるには2013年比62%削減が必要」と分析(※2)し、「#緊急気候アクション0422」でもこの目標が掲げられました。緑の党もすでに「90年比65%以上削減」を掲げており、この「65%」は2013年比で約70%に相当します。しかも、これらの目標でさえ「炭素予算」の観点ではなお不十分です(※1)。

さらに、日本のようにすでに多くの排出を積み上げてきた先進国は、「気候正義」の観点から炭素予算を途上国に残す責務があり、60%台よりさらに高い削減目標を掲げるべきです。

2.石炭火力発電の即廃炉が急務

化石燃料の中でも最も多く二酸化炭素を排出するのは、発電部門の石炭火力発電です。たとえ高効率の石炭火力であっても、天然ガスの2倍を排出します。さらに石炭火力は、有毒な硫黄酸化物・窒素酸化物も排出し、周辺環境や住民の健康を脅かします。新規の石炭火力発電所の建設はもってのほかであり、全ての石炭火力発電をただちに廃炉にすることが必要です。

3.未確立の技術を夢見る時間はない

菅首相は2兆円もの巨額のカーボンニュートラル基金を創設しようとしていますが、それには石炭火力など化石燃料の延命させるための二酸化炭素の回収・貯留・リサイクルの技術や水素・アンモニア混焼技術の開発が含まれています。これらは、巨大で複雑な、いつ実用化するか分からない未確立の技術です。10年以内に温室効果ガスを半分にしなければならない時に、これらを夢見ている暇はありません。

4.原発は絶対に許されない

日本のエネルギー基本計画策定に向けた政府の審議会では、二酸化炭素を排出しない発電として、原発を電源比率20~30%まで使う議論が先行しています。「3.11」でも経験した通り、原発は放射性物質による環境汚染や甚大な事故の可能性が避けられず、使用済み核燃料の処分方法も確立されていません。原発が気候変動対策に役に立たないことも、繰り返し訴えてきました(※3)。気候危機対策のために人類が選択すべき技術ではないことは明白です。

こうした観点で、私たちは新たなNDCを強く批判し、化石燃料や原発に頼らない持続可能な未来に向けて、さらに大幅な削減を求めます。また、石炭火力と原発の速やかな廃止、省エネや再エネの推進・普及とともに、経済成長や社会のあり方の根本的な転換こそが必要であることを強く訴えます。

1)緑の党が試算した2020年末の1.5℃目標炭素予算は世界で3000億トンであり、これを日本の人口に単純換算すると約48億トンとなる。これと「2050年ゼロ」「2030年46%削減」を前提とした削減計画に基づく排出量の関係を試算・図示した。


これを見ると①「2030年46%」が2050年ゼロに向けて直線的な削減のための計算上の結果に過ぎないこと ②排出量としては、2030年までで1.5℃炭素予算のほぼ2倍となってしまい、政府の削減目標の前提「1.5℃目標との整合性」がそもそも成り立たないこと などが明らか。

2)Climate Action Tracker「日本の5°Cベンチマーク~ 2030 年温暖化対策目標改定への示唆~」 https://climateactiontracker.org/documents/849/2021_03_CAT_1.5C-consistent_benchmarks_Japan_NDC-Translation.pdf

3)緑の党グリーンズジャパン運営委員会論説「原発はCO2対策に貢献しない-地球の未来を奪う石炭と原発から決別し、持続可能な社会への転換を」(2020年9月4日)http://greens.gr.jp/seimei/28870/


PDFファイルは⇒ http://greens.gr.jp/uploads/2021/04/56d1e40d003c1e331e4a662a63c69f5d.pdf

ページ先頭に戻る