【声明】国際女性デーにあたって-危機の中で困難に直面している女性たちを守り...

【声明】国際女性デーにあたって
-危機の中で困難に直面している女性たちを守り支えるための早急な対策を-

2021年3月8日
緑の党グリーンズジャパン運営委員会

  3月8日は「国際女性デー」です。これは、1904年3月8日、女性参政権を求めるデモがニューヨークで行われたことを起源にしています。

  それから100年以上経った今年、日本では「3.11」福島第一原発事故からちょうど10年が経ちます。原発事故の被害を受けた多くの女性たちは、10年という時間の中で、家族やコミュニティとの分断、経済的・精神的に困難な状況に直面しており、避難指示区域外からの母子避難ではその困難はさらに顕著です。

  また、昨年からの新型コロナウイルス感染症拡大は、国内外でDVや女性の自死を急増させており、日本でも各種統計で表われています(※1・2)。

  欧州に比較して、雇用条件の不安定な非正規労働の多くを女性が占め、女性への家事負担などを押し付ける日本の社会構造が、原発事故や感染症拡大などの「危機」において女性の困難な状況に拍車をかけることにつながっています。今後さらに深刻化する気候危機が、そうした状況をさらに悪化させることが危惧されます。

  刑法における性犯罪定義の甘さ、DV防止法の実効性の低さ、政治分野における男女共同参画推進法が施行されてもなお低い女性議員比率、選択的夫婦別姓を容認する民意が7割を超えても法制化されない現実、ジェンダーバイアス的表現が見直されない教科書など、日本における女性差別問題は山積しています。

  一方、東京五輪組織委員会の前会長森喜朗氏による女性蔑視発言問題では、これに反発する国内外の声によって、森氏は辞任に追い込まれました。「#me too」運動など、暴力被害を受けた女性たちによる勇気ある行動とその共感が、日本と世界を変えつつあります。

  また、「女性に対する暴力及びDVの防止に関する欧州評議会条約」(通称「イスタンブール条約」)(※2)のように、女性への人権侵害をなくすためにつくられた数々の国際文書の集大成ともいえる条約が、条約加盟国の制度改善を促し、女性をエンパワーしています。日本の法制度や政策にも、同条約の理念やスキームが活かされる必要があります。

  緑の党グリーンズジャパンは、設立当初から共同代表や役員をクォータ制(半数以上が女性)に基いて選出し運営しています。世界各国の緑の党も、女性やLGBTQIA+が平等に生きられる社会に向けてその先頭で活動しています。緑の党から5人が入閣したスウェーデン政府は、フェミニスティックガバメント(男女平等の政府)として知られており、軍事予算削減を実現しました。

  私たちは、これからも女性差別撤廃に向けて行動する人びとや世界の緑の仲間と連携し、女性やLGBTQIA+などあらゆるSOGI(性指向と性自認)を認め合いながら生きられる社会、家事・育児・介護を皆が担うくらしをめざします。また、政府に対して、新型感染症拡大の中で窮地に立たされている女性への一刻も早い支援と、彼女たちが尊厳を持って生きていけるよう、抜本的な対策を求めます。

※註

1:https://www.nikkei.com/article/DGXZQODG125JZ0S1A110C2000000/
2:https://www.asahi.com/articles/ASNB272P6NB2UBQU004.html
3:イスタンブール条約については下記参照。
https://www.sangiin.go.jp/japanese/annai/chousa/rippou_chousa/backnumber/2020pdf/20200708028.pdf

PDFファイルは⇒https://greens.gr.jp/uploads/2021/03/seimei20210308.pdf