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【声明】「大阪市廃止・特別区設置」に大阪市民の未来は託せない -「反対」を!

2020/10/21

 

【声明】 「大阪市廃止・特別区設置」に大阪市民の未来を託すことはできない

-「反対」を強く呼びかけます!

2020年10月21日
緑の党グリーンズジャパン運営委員会

■はじめに
  大阪市では、大阪市を廃止し大阪府の下に4つの特別区を設置する、いわゆる「大阪都」構想(本質的には5年前に否決されたものと同じ)について、その是非を問う住民投票(10月12日告示、11月1日投票)が行なわれています。緑の党大阪府本部の仲間たちも、他の政治勢力や多くの市民・市民団体と連携して、連日、反対運動を進めています。
  私たち緑の党は、新たに浮上している問題点も示しながら、この構想にあらためて「反対」を強く呼びかけます。

■目の前の危機を無視した「成長戦略」にリアリティはあるか?
  「大阪都」構想の推進派は、大阪が東京都に対抗し、「大阪の成長戦略を実行するために大阪府と大阪市の権限を一元化し、大阪万博やカジノで海外からの観光客を増やす成長戦略を」と主張しています。
  しかし、今私たちが目の前にしている現実から目をそむけることはできません。収束しない新型コロナ感染拡大は、今後も地域経済や暮らしに大きな打撃を与え続けることが避けられず、インバウンドに依存する経済成長は根本から見直しを迫られています。また、深刻な気候変動は破壊的な台風や豪雨災害を増大させ、2019年には台風21号でタンカーが関西国際空港の連絡橋に衝突して空港機能が麻痺、外国人誘客を当てにした関西経済圏にも痛手を与えました。豪雨の頻度や規模の拡大は、海抜ゼロメートル地帯が広がる大阪市の浸水・水害リスクをこれまで以上に高めます。また、気候変動は新型コロナウイルスのような新しい感染症を次々引き起こす要因のひとつになっています。
  台風や豪雨、熱中症、感染症の増大など、人命を脅かす危機的な事態が進んでいるにもかかわらず、海外からの誘客頼みの経済成長をめざす構想がそもそも的外れであり、時代錯誤です。この危機の中で、十分な説明や熟議を置き去りにしたまま(※1)、当てにならないギャンブルのような「大阪都」構想に未来を託すことはできないし、その重大な選択を迫る住民投票に緊急性や合理性はありません(※2)。

■深刻な危機から命と暮らしを守ることこそが政治の役割
  これまで経験したことのない危機に対峙し、人々の命と暮らしの安全を守ることこそが、政治や行政に強く求められている役割です。
  地方自治は、人々の暮らしに直接かかわる福祉や暮らしの安全を、地域住民の目線を基礎としながら実現するための仕組みです。推進派が大阪市廃止の第一の理由として掲げている「二重行政」はその多様な仕組みの課題のひとつに過ぎず、「大阪市」を解消することでしかこの問題を解決できないなどということはありません。「二重行政」解決の丁寧な取り組みも全国で進められています。
  しかも推進派が「二重行政」の象徴として挙げているのは、90年代に相次ぎ建設された大阪府と大阪市の2つのハコ物(※3)の事例ですが、これはむしろバブルに踊った当時の日本経済にこそその根本原因があり、推進派が進める新自由主義経済に基づく行政運営の破綻を示すものです。したがって、推進派の掲げる「成長戦略」や「規制緩和」の下では、大阪府の「一重」行政においても、同様の無駄な開発や建設が一方的に進められる可能性すらあると言えるでしょう。
  「大阪都構想」は、最も住民に近い自治の仕組みを上から一方的に破壊するもので、多重行政をはじめ自治体や都市制度の問題を解決しないばかりか、格差貧困の拡大や福祉政策の衰退を一層もたらす結果となります。

■的外れな選択を迫るな
  大阪都構想の住民投票は、今起きている危機を無視して、何の確証もなく、全く的外れな決断を市民に迫っています。
  この構想への「反対」の意思表示は、残念ながらこの不合理な住民投票で示すしかありません。大阪市民のみなさん、自分たちの命と暮らしを守り、本当の危機に対処するため、11月1日に住民投票に行き「反対」と書いてください。全国のみなさん、「大阪都構想」反対の声を強め、大阪市の知り合いに声をおかけください!

 

※註

  1. 都構想の根拠法「大都市地域特別区設置法」は、自治体が有権者に制度案を分かりやすく説明することを求めているが、コロナ禍の中で会場やzoom参加の制限もあり、前回に比べて大幅に少ない数にとどまる見込み。毎日新聞記事を参照
    https://mainichi.jp/articles/20200926/k00/00m/040/045000c
  2. 地域社会を共に構成する外国籍住民に投票権がないことも問題。朝日新聞記事「『俺だって大阪市民や』 都構想、投票権なき外国籍住民」記事を参照
    https://www.asahi.com/articles/ASNBB4W7RN9SPTIL014.html
  3. 推進派が「二重行政」の象徴として取り上げているのは、市が建てた「大阪ワールドトレードセンター」と、府が建てた「りんくうゲートタワービル」

 

<参考>
・2015年5月17日 緑の党グリーンズジャパン運営委員会声明「『大阪都」構想に反対します』
 http://greens.gr.jp/seimei/14621/

 

 PDFファイルは⇒http://greens.gr.jp/uploads/2020/10/seimei20201021.pdf

 

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