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【声明】2つの「6・23」-誰をも犠牲にしない平和な社会に向けて

2020/06/26

 

【声明】2つの「6・23」-誰をも犠牲にしない平和な社会に向けて

2020年6月26日
緑の党グリーンズジャパン運営委員会

■75年目の沖縄慰霊の日-今も続く犠牲
  去る6月23日、沖縄は75年目の「慰霊の日」を迎えました。沖縄戦の司令官らが自決して日本軍の組織的抵抗が終結した日にあたり、沖縄では公的機関や学校などを休業し、犠牲者への鎮魂と追悼の想いをあらたにする日です。
  本土防衛のための「捨て石」とされた沖縄戦は、実際にはこの日では終わりませんでした。司令官らが最後までの抵抗を命じたことで、中心部隊が撤退した南部地域を中心に、混乱の中で住民を巻き込む悲惨な戦闘が続き、沖縄住民の犠牲者の6割がこれ以降に亡くなったとされています。この日は、沖縄戦の「終結」ではなく、その日以降も続いた悲惨な戦闘の犠牲者の全てを追悼する日と言えます。私たちは、沖縄の人々が「慰霊の日」に寄せる特別な想いを重く受け止め、あらためて不戦・平和の決意を固くします。
  その沖縄は戦後も米軍が占領し、平和憲法と隔絶され続けただけでなく、本土の多くの米軍基地の返還に伴い、沖縄に基地が集中していきました。そして本土復帰後も、米軍関係者による事件・事故、基地周辺の騒音被害や環境汚染が続き、これらに対する日本側の捜査・調査の権限はきわめて制限されています。しかし、日米両政府はこれを放置するだけではなく、世界で最も危険な空港と言われる普天間基地の返還を先送りにしながら、沖縄の民意に反して辺野古基地建設を強行し、二重三重に沖縄に大きな負担を押しつけ、分断をもたらしています。

■60年目の日米安保・地位協定
  沖縄にこうした状況を強いているのは、60年前の同じ「6月23日」に発効した日米安保条約と日米地位協定です。
  沖縄の民意を踏みにじり、負担を強いながら、日米安保体制はさらに強化されています。2015年に制定された安保法制は自衛隊の海外活動を拡大し、米軍との行動の一体化を強めています。米国の意のまま兵器を爆買いし、米軍駐留を莫大な思いやり予算で支える日本の政治は、軍事的な緊張を高めるばかりか、国内財政を圧迫しています。「イージスアショア計画」の頓挫の一方で、これを口実にして政府・与党内部から声が上がっている「敵基地攻撃能力強化」は、憲法9条の趣旨に反し、際限の無い軍拡競争を招くものであり、強く批判しなければなりません。
  また、日米地位協定は、他国が米国と締結している協定に比べても日本は不当に不平等な状態に置かれています(※1)。
  一方、今年の沖縄慰霊の日の追悼式典には、広島・長崎市長からも初めてメッセージが届き、不戦・平和に向けて、この3つの自治体の連携の重要性が確認されました。全国知事会や市議会議長会も、毎年のように「地位協定改定」や「沖縄の米軍基地負担の軽減」を求める決議を上げています。安保や地位協定は、その最も深刻な被害を沖縄が被っていると同時に、全国の自治体・市民も当事者となるものであり、日米間の安保体制に対して、自治の現場から声が上がっていることは大きな意義があります。

■北東アジアの平和・共生、誰をも犠牲にしない平和な社会へ
  朝鮮半島情勢が不安定化する一方、米国のトランプ大統領が「自国第一主義」どころか「自分第一主義」の対応を重ねてきたことも明らかになる中、「日米安保」という軍事同盟に、日本と北東アジアの安全と平和を委ねることはむしろ危険を伴います。コロナ感染拡大や気候危機問題を前に、人類が覇権や軍事力強化を争うことがいかに無意味か、多くの人々が認識するに至っています。困難であっても、多国間の信頼と共生を創り出していく他に、この地域の平和共存の道はありません。
  私たちは、日本政府に対し、沖縄と全国の自治体・市民の声をしっかりと受け止め、米国政府と向き合い、日米地位協定の抜本的改定や在日米軍基地の縮小のためあらゆる努力を重ねることを強く求めます。
  また、日米安保条約によらない北東アジアの平和共存の枠組みの構築に向けて、全ての関係当事国・自治体・市民が努力すべきだとあらためて訴えます。また、日本全国の自治体・市民も、沖縄から発せられる悲痛な声を受け止め、基地負担軽減のための真剣な議論を重ねるべきだと強く訴えます。


1:日米地位協定が米軍と他国の地位協定に比較して不当な状態にあることについては沖縄県の調査を参照。
https://www.pref.okinawa.jp/site/chijiko/kichitai/sofa/documents/190411-2.pdf
一方、日本がジブチとの間で締結している協定では、自衛隊側にジブチの国内法令を適用しない特権が与えられており、日米地位協定を改定した場合、日本側に有利な協定の見直しにも波及する恐れがあることで政府が後ろ向きになっているとの指摘もある。
(週刊SPA 2019年3月6日号「日本は、自衛隊が駐留するジブチに「占領軍」のような不平等協定を強いている」参照:
https://nikkan-spa.jp/1556286)

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