【声明】原子力発電からの脱却を!新型コロナによるリスク回避のため速やかな運転停止を

 

【声明】原子力発電からの脱却を!

新型コロナウイルス感染症によるリスク回避のため速やかな運転停止を求めます

 

2020年5月8日
緑の党グリーンズジャパン運営委員会

  世界的に新型コロナウイルスの感染が拡大を続け、累計感染者数は358.8万人超、死者数も24.7万人を超えています(5/6 WHO)。日本も例外ではなく、感染者数、死者数とも増加の一途をたどっています。政府は4月7日「緊急事態宣言」を発令し、濃厚接触による感染を未然防止するために、「3密」(密閉、密集、密接)を回避するよう呼びかけました。緊急事態宣言は5月6日から5月31日へと期間が延長され、3密回避の長期化は免れません。
  ところが、原子力施設は司令塔である「中央制御室」の3密環境に始まり、ひとたび事故を起こせば、放射性物質の防護のために屋内退避が不可欠で、「密室」をつくらなければならず、身体的距離を確保しなければならない新型コロナウイルス対応とは相反します。原発事故からの避難が極めて困難であることは、福島第一原発事故で浮き彫りになりました。ましてや、コロナ禍のもとでの原発事故からの避難となると、仮に避難できたとしても、避難場所そのもので感染爆発が起こりかねません。
  また、原発にかかわる100~200社を超える地元の工事会社・技術支援会社(計1,000~3,000人超)の一つにでもクラスターが起きれば原発の操業に大きな影響を与えることになります。先ごろ発生した玄海原発のテロ対策施設・特定重大事故対処施設の工事では4月14日、請負業者の50代男性社員の感染が判明し、17日には同じ事務所に勤務していた40代男性社員も感染が確認されました。九州電力や関連会社の社員ら合わせて約510人が一時自宅待機を迫られました。原発内では、原子炉運転員、巡視点検員、設備メンテナンス員・保守点検員、放射線管理業務員、警備員等が昼夜を分かたず作業に取り組んでおり、誰かひとりでも感染すればクラスターの発生は避けられず、勤務体制もたちどころに崩壊します。そうなった場合、事故防止のための対策を取ること自体が極めて困難となります。クラスター発生は、何万年かに一度などというものではなく、現に発生している極めて現実的な危険です。
  新型コロナウイルス感染症が拡大している現状での原発の稼働は、事故のリスクに加えて、感染拡大による深刻な危機を招くリスクを高めています。私たち緑の党グリーンズジャパンは、原発の稼働を続ける電力事業者ならびに政府に対し、原発そのものからの脱却をあらためて要請し、速やかに全ての原発を停止させることを強く求めます。
 

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