【寄稿】「牛久」の人々とつながる国会議員になります ―入管収容施設の長期拘留問題

 7月の参議院議員選挙で立憲民主党比例代表で当選した、緑の党のサポーターでもある石川大我さんから緊急寄稿をいただきました。

 

 【寄稿】「牛久」の人々とつながる国会議員になります
    入国管理局収容施設の長期拘留問題

2019年8月17日

参議院議員 
石川大我

 7月21日投開票の参議院議員選挙、全国比例区で当選をさせていただきました、石川大我です。選挙ではLGBTや緑の党のみなさんをはじめ、多くの市民活動に関わる人たちに参加いただきました。ヘイトスピーチや難民支援に関わる若者が機動的に動いてくれたことも当選の大きな力になりました。

 当選後、事務所掃除や各所への挨拶回りをしていると、東日本入国管理センター(牛久市)で長期拘束や人権侵害に抗議して約100人がハンストをしているというニュースが飛び込んできました。
 仮放免された2人が2週間後に再収容されたことへの反発で、体調を崩す人も相次いでいるとのこと。6月には他の施設でナイジェリア人男性が拒食症とみられる症状で死亡する事故も起こっていましたので心配しました。

 「牛久」と聞いて思い出すのは、19年前の出来事です。2000年にイラン人男性のシェイダさんがオーバーステイで逮捕されました。ゲイであることをオープンにしていたシェイダさんは、本国に帰国すれば同性同士の性交渉を死刑としているイランで迫害される恐れが高いのです。
 牛久の入国管理センターに収容されたシェイダさんの救出活動がLGBTコミュニティーをあげて繰り広げられました。様々な団体が努力をした後、2001年11月、私たちは、2人の国会議員と共に牛久へ向かいました。
 歯痛、耳痛、足の付け根の部分の痛みなどの持病を持つシェイダさんに、ろくな治療をしないセンター。こうした待遇に抗議をして、UNHCRの難民認定を得ている彼の早期仮放免を求めるための所長交渉に同席したのです。交渉後、なんと、シェイダさんが仮放免されるという情報がセンターから得られました。帰りのワゴン車。1人増えたメンバーに、一同興奮したことは言うまでもありません。

 こうした経験から、「より多くの人が声をあげること」の持つ力を今回の牛久での出来事を聞き、とっさに思い出したのです。8月4日には新宿アルタ前での緊急アピールに参加しました。「いのちを守れ」「入管長期収容は拷問です」のプラカートが掲げられる集会で、参議院議員として、積極的にこの問題に取組む旨のスピーチをし、参加者のみなさんにお約束しました。

 しかし、現在、状況はさらに酷くなっていると聞きます。8月14日と16日には2週間の仮放免になっていた2名の方が再収容される事態になりました。立憲民主党では複数の議員がこの問題に取組んでおり、そうした議員や支援団体のみなさんとも連携して、問題の解決に努力したいと思います。
 国連拷問禁止委員会は2007年、入管施設での無期限の身柄拘束を「国際的人権保障の感覚からすると非常識」として上限の設定を勧告しています。選挙期間中、訴えてきた「政治から一番遠い人たちとつながる政治」をしっかり実現するため、みなさんとも連携しながら、入管行政の問題点をしっかり追及していきたいと思います。

 

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