【談話】 欧州議会選挙で緑の党が大躍進!―「希望は緑」―

【談話】 欧州議会選挙で緑の党が大躍進!―「希望は緑」―

2019年5月29日

緑の党グリーンズジャパン共同代表
 長谷川羽衣子  中山  均
松本なみほ   橋本 久雄

 5月27日、開票された欧州議会選挙において、緑の党は当初の予想を大きく上回る69議席(9.18%)を獲得、第4党となりました。特に、EUの要とも言えるドイツとフランスでは、それぞれ第2党(20.50%)、第3党(13.47%)となるなど大きく躍進し、またEU離脱問題に揺れるイギリスでも11.10%を獲得して第4党となりました。

 緑の党躍進の背景には、ヨーロッパを中心に世界へと広がった、気候変動対策を求める運動があります。その先頭に立っているのは、10代、20代の若い女性たちです。その象徴とも言えるのが、スウェーデンの高校生グレタ・トゥンベリさん(16歳)で、ダボス会議で気候変動問題を訴え、その呼びかけに触発された大勢の若者が、今年3月15日に行われた気候変動対策を求める世界一斉デモに参加しました。デモはイタリアで50万人、ドイツで30万人を集め、世界中で150万人以上が参加したとされています。さらに5月24日の第2回デモには日本を含む125カ国2350都市で約180万人が参加しています。  気候変動対策を求める若者の運動が、結成当初から地球環境問題を大きな柱として掲げ、取り組んできた緑の党の躍進につながったと考えられます。事実、ドイツでは緑の党が30歳以下の圧倒的な支持を集め、このことが躍進の原動力となりました。

 一方、これまでヨーロッパの多くの国で2大政党であった、保守党(中道右派)と社会民主党(中道左派)は議席を減らしました。社会民主党の失速は、各国で「第3の道」を掲げて新自由主義的な転換を行ったことへの、人々の失望の現れと言えます。社会民主党が失った票の多くは、同じ左派に位置付けられる緑の党に移ったと推測され、これが緑の党躍進のもうひとつの背景と考えられます。また、ヨーロッパを揺るがしている移民問題やEUへの姿勢について、一貫して移民受け入れとEUの統合を進める姿勢を貫いたことも、緑の党の評価につながったと考えられます。

 いずれにせよ、大きく票を伸ばすと予想されていた、移民排斥やEUに懐疑的な姿勢を取る右派政党は微増に留まり、緑の党が大きく躍進した今回の欧州議会選挙は、不寛容かつ一国主義的な政治勢力が台頭した近年の政治状況において、希望の持てる結果となりました。  私たちも、欧州をはじめ世界の緑の党と連携し引き続き気候変動問題に取り組むとともに、政治への希望を喚起できるよう緑の旗を掲げ続けます。

 

<参考>
欧州議会選挙HP
https://www.election-results.eu/united-kingdom/

欧州議会選挙で緑の党が躍進、貢献したのは若い女性たち
https://www.afpbb.com/articles/-/3227189

大衆迎合主義の失墜と残留派(自民党・緑の党)の躍進
https://euobserver.com/political/145006

欧州議会選、ポピュリスト政党伸び悩む-緑の党とリベラル派の伸び顕著
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-05-26/PS4QVL6JTSE801

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