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【論説】日常化する異常気象:脱石炭・脱原発・再生可能エネルギーへの転換を急げ!

2018/09/08
【論説】
 日常化する異常気象:気候変動を直視し、徹底的な省エネを進めるとともに、
 脱石炭・脱原発・再生可能エネルギーへの転換を急げ!

 

2018年9月7日
緑の党グリーンズジャパン運営委員会

 

 7月の西日本の歴史的豪雨災害は200人を超える犠牲をもたらし、生活及び産業の基盤が破壊されました。この夏には連日40℃前後に達するような酷暑により、多くの人々、とりわけ高齢者や子どもたちの生命や健康が脅かされ、失われています。この9月も、台風21号が近畿地方を中心に多大な被害を引き起こし、大規模停電や関西国際空港の閉鎖など、大きな被害や影響が広がっています。

 WMO(世界気象機関)は、7月の西日本豪雨も含め、世界中で見られる一連の異常気象は温暖化ガスの増加による長期的な地球温暖化の傾向と関係していると発表しました(※1)。 気候変動は今日、人命や健康をいかに守るかという基本的人権の問題となっています。

  もちろん、災害や熱中症などの被害それ自体への支援が必要なのは言うまでもありません。それとともに、本気でエネルギー消費の抑制と再生可能エネルギーへの転換に舵を切らなければなりません。

  気候変動は既に現実の社会・経済・産業・生活の脅威であり、その影響の最小化を図ることがすべての人々及び事業者の持続可能性に不可欠であるからこそ、日本を含む世界がパリ協定の採択、早期発効に動いてきたのです。7月3日に政府が閣議決定した第5次エネルギー基本計画(以下「第5次計画」)でIPCC報告「気候システムの温暖化について疑う余地がない」を引用するのなら、国としての「変革の意思」と「変革に対する前向きの模索」を本気で示す必要があります。

  しかしながら、第5次計画は、石炭火力と原子力を重要なベースロード電源と位置づけた2014年の第4次エネルギー基本計画をそのまま引き継ぎ、2015年7月に経済産業省が定めた長期エネルギー需給見通しにおける2030年の電源構成も、「その確実な実現に全力を挙げる」としています。 これでは、脱炭素への大転換を目的とするパリ協定を実現することができません。何よりもまず取り組むべきは、パリ協定に逆行する石炭火力発電所の新増設計画の中止と、既設の石炭火力発電所の閉鎖です。東日本大震災以降、石炭火力の新増設計画は、気候ネットワークの調査で50基にも及んでいます。石炭火力は、高効率・次世代の技術を用いたとしても平均的な天然ガス火力発電の2倍ものCO2を排出します。石炭火力発電所に環境適合性はありません。

 再生可能エネルギーについても、第5次計画は混迷しています。諸外国の現状の水準にも劣る割合(22~24%)を2030年の「目標」に据え、しかも具体的な推進策はありません。むしろ、現行の系統運用ルールのもとで原子力と石炭をベースロード電源とすることは、再エネの送電網への接続が制約されることを意味し、2030年の電源比率の実現さえも危ぶまれます。既に太陽光などの再生可能エネルギーで大半の電力需要を賄えるようになった九州では、九州電力が太陽光発電の制限を求める事態に至っています。

  また、今回の北海道地震で生じた道全域という前代未聞の広範な停電も、特定の大発電所に電力を依存することの危うさ、市民主体の発電の必要性を示しています。送電網を電力会社から切り離し、民主的な管理の下に置くことが必要です。また、社会的公平に十分配慮した形で、キャップ&トレード型国内排出量取引制度(※2)を導入するとともに、環境税を欧州レベルまでに引きあげることも必要です。政府は、エネルギー政策や環境政策の転換を大胆に進めるとともに、来年、日本が開催国を務めるG20大阪サミットにおいては、気候変動を最重要議題と位置づけるよう調整し、国際的な気候変動対策枠組みの強化に向けて積極的に行動すべきです。

 

 脱炭素への本気の対応なくして、日本の経済や社会の前途も危ういとの認識は、すでに国内でも金融機関・投資家の投融資における変化や、企業・自治体による「気候変動イニシアティブ」(※3)の発足などに現れています。今回の第5次計画のような旧来型の政策を固定化させては、地球の未来はありません。私たち緑の党は、パリ協定と整合し、かつ原発に頼らないエネルギー政策や環境政策の強化に向け、地域や自治体での取り組みも強化しながら、すべての市民や立憲野党とともに全力を尽くします。

 


1) https://public.wmo.int/en/media/news/july-sees-extreme-weather-high-impacts
2)温室効果ガスの排出枠に上限(キャップ)を設定するとともに、排出枠を割り当てられた参加者の自由な売買(トレード)を認める制度
3) https://japanclimate.org/

 

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