【声明】 福島原発事故から7年目にあたって

 【声明】福島原発事故から7年目にあたって

 2018年3月11日
緑の党共同代表 長谷川羽衣子

 

  2018年3月11日、東日本大震災と東京電力福島第一原発事故から7年が経ちます。私たちは、震災と原発事故で亡くなられた方々に、あらためて深く哀悼の意を表します。そして、家財や心身に大きな被害を受けた方々、ふるさとを離れ避難生活や移住されている方々にこれからも寄り添い、支援を続けて参ります。

  この7年間、政府や電力会社が安全だと強弁してきた原発が、人の暮らしにも自然にも取り返しのつかない被害をもたらすものだと、私たちは大きな痛みとともに思い知らされました。それにもかかわらず、現在の自民党安倍政権は原発の再稼働ばかりか海外輸出を強行し、国内だけでなく海外にまで危機を拡大しようとしています。また、いまだ困難な状況にある避難者への支援を打ち切り、放射能汚染や健康被害の調査も限定的にしか行なっていません。必要なのは、事故の教訓を正しく学び、長期的な視点を持ってより良い社会をめざすことです。未来を担う世代に大きな負の遺産となる原発が、それにふさわしくないことは明らかです。それにも関わらず、事故をなかったことにするかのような政府の姿勢に、私たちは強い憤りを覚えます。

 一方でこの7年、市民の粘り強い活動が、各地で実を結んでいます。多くの人々が国会前で再稼働反対の声を上げた2012年の夏以降、世論調査では、原発維持よりも脱原発を支持する回答が上回っています。住民が原発の再稼働差し止めを求めた裁判では、福井地裁をはじめ、大津地裁、広島高裁で訴えを認める画期的な判断が下されました。また、子どもたちの放射線被曝を少しでも低減するため、各地で保養キャンプなど取り組みが続けられています。これら市民の声を受けて、多くの野党が脱原発の姿勢を明確に打ち出し、野党第一党となった立憲民主党をはじめ、共産・自由・社民の4党と無所属議員らが共同で「原発ゼロ法案」を提案するに至っています。

  世界に目を向けると、再生可能エネルギーが原発を上回り、年々、拡大を続けています。多くの国や企業が再生可能エネルギーと省エネを、最も重要な産業として、また温暖化対策の柱と位置付け、大規模な投資を行っています。日本は再生可能エネルギーにも省エネにも高い技術を持ちながら、政府や電力会社が過去の遺物である原発に固執し続け、再生可能エネルギーへのシフトを阻んでいます。

  私たちは、福島第一原発事故から7年を迎えるいま、あらためて原発の廃止を強く訴えます。また、今も続く原発事故被害者のみなさんの苦難に寄り添い、支援を続けます。そして再生可能エネルギーと省エネを推進し、原発のない地域循環型の社会の実現に向けて歩み続けます。

 

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