【声明】疑惑隠しの大義なき解散 安倍首相の思惑を覆す総選挙に

【声明】疑惑隠しの大義なき解散 安倍首相の思惑を覆す総選挙に

 

2017年9月26日

緑の党グリーンズジャパン運営委員会

 安倍首相は臨時国会冒頭で解散を行い、10月22日投開票の衆議院議員選挙に踏み切ることを表明しました。
 この解散は、疑惑隠しを目的とし、党利党略に基づき、解散の大義としての争点さえ急ごしらえの、とうてい許されない暴挙です。

■疑惑隠し
 憲法の規定により野党は6月22日に森友学園・加計学園問題の疑惑解明のための臨時国会召集を求めました。しかし 、自民党はこれに応じず、国会は召集されずじまいでした。今回の解散で森友学園用地をめぐる8億円の土地価格の値引きの経緯や安倍首相と理事長との関係が疑われる加計学園に特区申請を認めた経緯が解明されないまま選挙戦に突入することになります。疑惑隠しを目的とした政治の私物化に他なりません。

■党利党略
 また、「仕事人内閣」と銘打った新体制の内閣は、発足して1か月半しか経過しておらず、何らの成果どころか大臣の所信表明さえ行われていません。蓮舫代表の辞任、山尾議員のスキャンダル報道と離党をきっかけに議員の離党が続き民進党の前原新体制が不安定なこと、小池東京都知事と連携する国政グループの体制が整っていないこと、北朝鮮がミサイルを発射したことなどの状況が、自民党にとって有利という思惑に基づいた党利党略の解散です。

■取ってつけた争点
 さらに解散の理由のない争点なき選挙であることも問題です。安倍首相は、取ってつけたように「消費税増税と社会保障に限定した使途」をあげていますが、国会で全く争点にもなっていないイシューを解散で問うことは、有権者を愚弄するものに他なりません。消費増税とその使途を争点とする前に、所得税・相続税・金融資産税・環境税などでの格差是正や環境対策を重視した公正な税負担への是非が争点となるべきです。

■解散権の濫用極まる
 また、現行憲法は首相の「解散権」を無条件に認めているわけではなく、原則として内閣不信任に対抗する手段に限定しており、近年乱発される天皇の国事行為の手続を定める7条を根拠とした解散は、そもそも正当性が疑われます。今回の解散は、政治的にも手続的にも、憲法の理念を踏みにじるものです。

■思惑を覆す総選挙にしよう
 これらの安倍首相の思惑を覆すための総選挙とするために、可能な限りのアクションを訴えます。まずは市民連合が主体となり、候補者調整も含めて野党共闘を実現して立憲勢力で3分の1を確保することが何より重要です。同時に、安倍首相の疑惑隠しと党利党略の大義なき解散への批判をあらゆる方法で推し進めることが求められています。
 そして、私たち緑の党は、「9条改憲に反対」「脱原発・再エネ推進」「まずは消費税より格差是正と環境に配慮した税制」などを政策として共有できる候補者を支援します。
 安倍首相の思惑を覆す総選挙とするために、全国各地で野党共闘候補の当選をめざし、積極的に行動を起こしましょう。

 

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