【声明】温暖化も原発もない未来へ!パリ協定の発効を歓迎し、日本の早期締結を求めます


【声明】温暖化も原発もない未来へ!パリ協定の発効を歓迎し、日本の早期締結を求めます


2016年11月5日
緑の党グリーンズジャパン運営委員会


 昨年12月のCOP21で採択されたパリ協定は、これまで気候保護に後ろ向きだった米国と中国、さらにEUやインドなどが締結することによって発効要件が早期に満たされ、昨日(11月4日)、正式に発効しました。

 私たち緑の党グリーンズジャパンは、同協定発効に向けて積極的に取り組んだ関係各国政府と、それを後押しし、行動し続けてきた市民やグローバル・グリーンズの仲間に敬意を表し、世界経済の大転換に向けた歴史的なスタートとして、これを歓迎します。

 「2050年までに温室効果ガス排出量実質ゼロ」「平均気温上昇を産業革命前の1.5~2℃未満」という目標は、単なる政治的合意ではありません。協定の採択後、1年を待たずに発効要件が達成されたことは、深刻な気候変動への危機感と経済の大転換の必要性が世界レベルで共有されていることを意味します。すでに世界のいくつもの巨大企業が事業で使う電力すべてを再生可能エネルギーに転換すると表明し、金融機関では、CO2排出規制が強化されることを見越し、石炭の採掘や石炭火力発電所への投資をやめる「ダイベストメント(投資撤退)」の動きが拡大しています。石炭火力発電所は運転停止を余儀なくされ「座礁資産(環境の変化によって価値が大きく毀損する資産)」となる可能性が高くなっています。        

 日本は、かつて京都議定書締結に向けてイニシアチブを発揮し、高い省エネ技術で温暖化対策を牽引してきました。しかし、11月4日現在、発効要件(55カ国以上、温室効果ガス排出量55%以上)を大きく超え、約70%にあたる97ヵ国の締結に至る中、日本の批准は遅れています。世界で5番目の温室効果ガスを排出しながら、原発と化石燃料の利権構造の中で、原発の再稼を進め、石炭火力発電所を48基も建設し、2030年時点で26%も石炭に頼るエネルギー計画では、未来への責任を放棄していると言わなければなりません。これでは、協定枠組みにおける発言力の低下だけでなく、国際的な信頼の低下は避けられず、世界経済の大転換にも乗り遅れてしまいます。

 緑の党は、日本政府に対して、一刻も早いパリ協定の批准を求めます。そして、温暖化も原発もない未来に向けて、全原発の即時廃炉と低炭素化社会への移行を実現させるため、日本の高い環境技術力を利用した省エネルギーや再生可能エネルギーの普及に向け、政府、経済界、市民が互いに協力しながら、真剣に取り組むことを呼びかけます。


PDFはこちら