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【論説】G7サミット-無意味な「頂点」会議ではなく、格差・貧困の解決のため市民の・・・

2016/06/02

G7サミット-無意味な「頂点」会議ではなく、格差・貧困の解決のため市民の力の連携を

2016年6月2日
緑の党グリーンズジャパン運営委員会

 

 「G7伊勢志摩サミット」は、これに先立つ一連の関係閣僚会議とともに、去る5月27日、閉幕しました。
 しかし、確たる成果はなく、安倍政権による政治利用と、経済政策などに関する各国の違いも浮き彫りになりました。

 「焦点」として国内報道機関から注目されたのは「財政出動の是非」でしたが、開催国の立場を利用して自国の思惑を各国に押し付け、自分に都合のいい見解と合意を引き出そうとした安倍首相の目論みは失敗しました。首脳会議に先立って5月20-21日に行なわれた財務省・中央銀行総裁会議では、独ショイブレ財務相が「G7ではいかなる大きな決定もしなかった」と断言しています。
 4月の外相会議では、ISなどのテロを非難する共同声明を公表しましたが、世界最大の軍事力を持つアメリカなど先進国の利害を優先した不法な戦争やグローバル経済政策こそがテロや貧困の温床になっていることは厳しく指弾されなければなりません。また、同外相会議の「不拡散及び軍縮に関するG7声明」において、核不拡散を口実にして、各国の原発技術の推進や輸出を積極的に推奨することが書き込まれていることは断じて容認できません。
 また、サミット期間中、福島第一原発の廃炉作業は停止されました。溶融核燃料がどこにあるかさえわからず、見通しの立たない汚染水問題をはじめ、深刻な状況は時間との闘いであるにもかかわらず、安全アピールの演出が優先され実態は隠蔽されました。日本政府の意向によって首脳宣言に盛り込まれた「廃炉及び汚染水対策の着実な進展(に向けて)・・日本の取組が進められている」などという記述は、虚偽と欺瞞に満ちています。
 さらに、開催国である日本の強い要請で中国の海洋進出にも懸念が示されました。中国の拡張政策は問題ですが、隣国同士の信頼関係と交渉枠組みの構築・緊張関係の解消に向けた努力を放棄したまま、他の国々に頼って対抗しようとしても、反発と緊張を強める結果にしかなりません。
 「パナマ文書」に露われたタックスヘイブン問題も議論されましたが、具体的な対策は講じられていません。年間のタックスヘイブンによる税の逸失は、少なくとも法人税で1000~2400億ドル、個人資産税などで1900億ドルと試算されています。G7を中心とする先進諸国やロシア・中国の支配層が深く関与していることも明らかであり、税逃れを阻止する国際的な枠組みづくりと共に、この「1%」と「99%」の構造の根本的な解決が求められています。
 今回のサミットは、ほとんど獲得成果のない会議だったにもかかわらず、これに要する経費は他の関係諸国で開催された場合に比べて今回が突出して高く、政権浮揚の格好の政治ショーとして利用されました。マスコミの報道も各国首脳に出された料理のメニューや舞台裏の様子に終始し、本質的問題点や課題を掘り下げるものはほとんどありませんでした。これも安倍政権によるこの間の報道機関への有形無形の圧力の「成果」であるとも言えます。
 G7などを頂点とするグローバル経済体制こそ、貧困と抑圧、そして各地の紛争を直接・間接的にもたらしています。各地の格差や貧困、紛争や飢餓の深刻な実態から遠いところで、何ら法的正当性のない枠組みによって国際社会のあり方を決定しようとする構造こそ批判されなければなりません。無意味で無駄遣いの「頂点」(サミット)会議ではなく、各国市民の「草の根」の力の連携・連帯こそ求められています。私たち緑の党も、グローバルグリーンズ加盟の各国緑の党をはじめ、世界各国の仲間たちとともに、その連携に積極的に関わって行きます。

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