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【論説】いのちと環境・生活を破壊するTPP合意に反対します

2016/01/12

【論説】いのちと環境・生活を破壊するTPP合意に反対します

-公正で開かれた貿易関系を-

2016年1月12日 
緑の党グリーンズジャパン 運営委員会

 1月4日より異例の通常国会が始まり、安倍政権は、昨年の「TPP大筋合意」から約50日の短期間で「総合的なTPP関連政策大綱」をまとめ、補正予算で対応しようとしています。夏の参議院選挙を視野に入れたバラマキと言わざるを得ません。TPPについては「大筋合意」しただけで、最終的な協定文は未完成で、どの国もまだ署名していません。私たちは、国会での批准に反対し、全力をあげるべきです。

  TPPは、各国で積み上げられてきた安全性や公共性に関するルールを一掃し、制約なき自由競争のルールに置き換えようとするもので、大国や強国の多国籍企業が、対外投資や事業で利益をあげることに貢献することこそが本質的な目的です。甘利大臣は「我々が作ったルールが21世紀の世界のルールになっていく」と傲慢に発言しましたが、この「ルール」は、働く人々や市民の利益にはほとんど結びつきません。

  TPPの発効により、高関税が維持されてきた農産物は、2328品目のうち、81%の1885品目の関税が撤廃され、米についても米豪向けに78400トンの無関税輸入枠が新設されます。田んぼや畑が荒廃し、地域農業が壊滅に追い込まれることで、単に農「業」や農「村」だけでなく、日本の環境や食文化にとっても危機的な影響を及ぼすことになります。

  一方、今回の「合意」の内容を見ると、日本の国民皆保険制度、食の安全や労働規制などについては、当初謳われた「例外なき自由化」からは「後退」し、各国の主権に「配慮」したかのような内容となっています。これらは、関係各国で活動する市民団体や環境団体の要求や活動の成果であると同時に、各国政府や企業のさまざまな利害の妥協の産物であるとも言えます。一方、付属文書の詳細を含め全体像が明らかになっていない状態で、こうした「配慮」の実効性や持続性も疑問です。

  また、こうした「不完全な自由化」を残して「大筋合意」を優先させたのは、経済的に台頭する中国への対抗と考えられ、日米両政権にとってTPPは対中国安全保障戦略の一環でもあります。その意味では、ブロック経済体制の対立がかつての戦争の重大な背景となった歴史を考えれば、TPPのような経済体制がそれ以外の国々との対立や緊張を高める可能性も認識する必要があります。

  TPPをめぐる議論では、「国益」や各産業分野での利益・損失だけではなく、多国籍企業の利益追求から各国の市民の人権や民主主義、いのちや暮らしを守るという課題や視点が重要です(*1)。自国で消費できないほどの農産物や商品を大量に生産し、他国で暮らす人々や環境への影響を考慮することなくその生産物を売りつけることで「成長」する経済は、不公正なものだと言わなければなりません。

 緑の党は、国内での食糧自給率を引き上げ、環境や地域を大切に活かし、人びとが安心して暮らせる経済と社会を目指しています。新自由主義経済が目指す究極の自由化と過剰な競争による不安な社会へとつながるTPP加盟の国会承認は認められません。

 今後、TPPが発効するには、参加12か国が国会承認などの国内手続きを経て、最終的に2年以内に日米両国が国会承認を得ないと効力は発揮されません。米国は、この年明けから大統領選挙が本格化、民主党候補者もTPPに反対を表明しています。また、日本では安倍政権も来年の参議院選挙を控え、極端な貿易自由化の国内世論の反発を懸念するなど、まだ事態は流動的です。

  私たちは、政府に対し、ただちに「大筋合意」の全内容と付属文書の詳細、交渉過程も含めた全情報を、業界団体に限らず、全ての市民に誠実かつ正確に明らかにすること、そして、各地で影響を受ける各界の関係者や広く市民からの意見聴取を行なう機会を設けることをまず求めます。

  私たち緑の党グリーンズジャパンは、TPP交渉の枠組みに参加しているカナダ・ニュージーランド・オーストラリア・アメリカなどの緑の党とも連携しながら、TPP批准反対の国際世論を強め、安全と公正の原則に立つ開かれた貿易関係を、アジア・太平洋の国々の人々とともに築いていくことを訴えます。

 

*註

1:緑の党運営委員会声明「いのちと環境、生活を破壊するTPP参加に反対します」
(2013年3月18日)http://greens.gr.jp/seimei/5839/

 

 

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