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【声明】原発の運転延長・新増設を前提とした2030年「エネルギーミックス」案は撤回を!

2015/06/06

【声明】原発の運転延長・新増設を前提とした2030年「エネルギーミックス」案は
     ただちに撤回を! -脱原発と温室効果ガス排出削減を実現しよう-

2015年6月6日
緑の党グリーンズジャパン運営委員会

 去る6月1日、政府は電源構成「ベストミックス」案を決定し、経済産業相の詰問機関である総合資源エネルギー調査会がこれを了承しました。これを受け、7月1日までの期間、資源エネルギー庁ではパブリックコメント(※1)を受け付けています。

 この構成案では、想定されている2030年の総発電電力量(1兆0650億kWh)のうち、原子力発電は20~22%、再生可能エネルギーは22~24%とされました。しかし、稼働から40年で廃炉するという現在の原子炉等規制法によれば、原発のすべてを再稼働させたとしても2030年末には18基しか残っておらず、設備利用率を80%と高めに見積もっても電源構成の12.5%しか占めることしかできません。今回の案は、既存原発の運転を60年まで延長させるか、新増設やリプレースを前提にしなければ成り立たないものになっています。

 また、原発のコスト試算においても、追加的安全対策費用が増えた一方で、それによる自己リスク対応費用を減少させるなど、恣意的で信頼性に疑問が残る費用計算となっています。本来、原子力発電所は補助金なしには成り立ちえません。また、廃炉や高レベル放射性廃棄物処理、最終処分場選定の問題など、原発の真のコストは極めて高くなります。さらに、原発の維持のための様々な優遇制度が残れば、再生可能エネルギー拡大の大きな阻害要因にもなります。

 今回提示された案は、原子炉の老朽化による危険性を顧みず、市民の「安全」や「いのち」を軽視するものであり、福島原発事故の教訓から何一つ学ぼうとしない「原発回帰」宣言に他なりません。これは、「再生可能エネルギーの導入を最大限加速し原発依存度を可能な限り低下させる」とした安倍政権のエネルギー基本計画や「原発の新増設やリプレースは想定しない」とした方針と明らかに矛盾しており、あからさまな公約違反です。日本は、すでに600日以上原発依存度0%の状態が続いています。原発の稼働年数延長による老朽化リスクを背負ってまで、原発比率を20%以上に維持するということに正当性を見いだすことはできません。

 また、「国家」から発想して2030年度の「エネルギーミックス」を断面的に設計しようという試みは、それがどのようなパーセンテージであれ、緑の党が目指す「エネルギーの市民自治」とも対立します。私たちは政府に対し、エネルギー政策に関して市民との合意形成に向けて努力するよう要求します。そして、現状の「原子力発電比率ゼロ」を維持しながら、省エネルギーの推進と再生可能エネルギーの大胆な導入によって、温室効果ガス削減することをあらためて求めます。

※註
1:パブリックコメント「長期エネルギー需給見通し策定に向けた御意見の募集について」
http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=620215004&Mode=0

 

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