【声明】金権政治を必要とする制度の改革を!小渕・松島両大臣の辞任を受けて

【声明】金権政治を必要とする制度の改革を!小渕・松島両大臣の辞任を受けて

2014年10月21日
共同代表 長谷川羽衣子

 

 政治資金の不透明な記載と選挙区での「うちわ」配布問題で、初の女性経済産業相に就いた小渕優子議員と法相として初入閣した松島みどり議員、2人の女性閣僚が辞任しました。

 小渕議員と松島議員、そして任命した安倍首相の責任を追及すると同時に、政治資金の不適切・不透明な使用を調査し、その実態を明らかにすることが求められます。

 しかし今回の辞任劇を、「政治と不透明なカネ」の問題だけに留めてはなりません。問題の根底にあるのは、大量のカネを調達することができる企業献金と政党交付金(年間360億円)の在り方であり、そしてそのカネによる利益供与で当選(議席増)を得ようとする方向に政党や政治家を誘導する選挙制度です。

 政党交付金は、リクルート事件を受けて企業献金による贈収賄事件などの弊害をなくすために1994年に設けられたものですが、企業献金はいまだ廃止されていません。利益供与を誘導する政治の根底にあるのは企業献金であり、その廃止なくして、政治家の利益誘導型の体質はなくせません。さらに政党交付金についても、「使途が自由」「政党の市民からの遊離」などの問題があり改革が必要です。

 また、小選挙区制度は政党間の政策の違いが小さくなり、政策論争よりもサービス合戦(利益供与)が起こりやすくなる弊害があります。小渕議員の政治資金の「記載漏れ」は数千万円にものぼりますが、一般市民の感覚からすれば途方もない金額です。しかしこれは、政党や政治家が選挙戦を「生き残る」ために、巨額のカネが必要だということの表れでもあります。このような弊害をなくすには、選挙制度を小選挙区制から政策論争中心の比例代表制に改革することが必要です。

 緑の党は、企業献金の廃止、政党交付金制度の改革、比例代表制への改正が、今回の2大臣辞任問題の根本的な解決のために必要であると主張します。

 また、既成政党の利益誘導の古い政治体質が温存されているのは、欧米ではゼロか高くても10万円程度の供託金が、日本では小選挙区300万、比例区600万と世界一高く、市民感覚を持つ新しい政党の参入障壁となっていることが最大の要因です。私たちは、本当の民主主義の実現のため供託金の廃止を訴えて行きます。

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