【談話】 脱原発と気候変動防止で豊かな未来を

 

【談話】 脱原発と気候変動防止で豊かな未来を

緑の党グリーンズジャパン共同代表
 長谷川羽衣子

 

 3月17日、環境省の研究班が地球温暖化によって今世紀末の日本では気温が最大6.4度上昇し、洪水被害が6800億円に上るとの報告書を発表しました。

 福島原発事故以前の日本では、気候変動問題はまさに原発推進の「口実」でした。しかし日本は「京都議定書」を締結した1997年の京都会議以来10年間で、温室効果ガスを大量に排出する石炭火力発電量を約2倍に増やしています。原発はいつ事故やトラブルで止まるか分からず、また定期的に運転を止めて検査する必要があるので、石炭を含む膨大な火力発電所が予備電源として大量に建設されてきたことがひとつの理由です。つまり、原発と火力発電は、表裏一体の関係にあるのです。

 脱原発しても気候変動を防止できることについては、既に多くの研究が行われています。その多くは、GDPのわずか0.1%程度の追加費用でそれが可能だとしています。しかも、気候変動の被害を防ぐことによる「環境メリット」をさらに考慮に入れれば、脱原発と気候変動対策の政策組み合わせの方が、社会経済全体の観点からも好ましいものです。

 また、脱原発と気候変動防止に有効な再生可能エネルギーや省エネの導入は、新産業での雇用創出にとってもプラスになりますし、エネルギー安全保障にも役立ちます。気候変動を防止するためにも、私たちは脱原発によって産業構造や利権構造を変える必要があるのです。

 

<参考資料>
明日香・朴・西村・諸富「ハンセン氏らの書簡への反論―原子力発電は気候変動問題への答えではない」(2014.1.31)
http://www.cneas.tohoku.ac.jp/labs/china/asuka/_src/2014/nuclear_power-climate_change_jp.pdf
電事連HP http://www.fepc.or.jp/nuclear/state/setsubi/

 

 

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