【報告】1月10日供託金違憲訴訟第6回公判:突っ込みどころ満載の国側のずさんな反論

供託金違憲訴訟 突っ込みどころ満載の国側のずさんな反論
 -選挙供託金違憲訴訟の傍聴報告-

 

kyoutakukin20180110 1月10日、選挙供託金違憲訴訟第6回公判と報告会に参加しました。

 政府側の反論の骨子は弁護団が作成した「被告「国」の準備書面(2)の要旨」 をご覧ください。

 突っ込みどころ満載の、ずさんな反論でした。

  • 「物価が変化ないので供託金を引き下げる必要なし」、という主張ですが、所得が減っていることを無視している。
  • 「選挙制度が違うので一概に海外と比較できない、比例代表選挙では政党によって候補者の濫立が回避されている」との主  張に対しては、「だったら比例代表は供託金なしで良いのでは」「そもそも政党を立ち上げる政党要件の条件が違い、海外では政党を作りやすいことが無視されている」と突っ込めます。
  • 「政府の反論は、あわてて作成したもので主張の中の相互の間にも矛盾もある。これまでは門前払いだったが、政府側がはじめて具体的な反論をせざるをえない状況で、追い詰めつつある」

という感じです。

 弁護側からは、アイルランドでの2001年の供託金違憲判決が紹 介され、その後の法改正で供託金が廃止(署名数30名で良い) されたこと、さらに「署名要件」も裁判になり廃止されたらしい との主張がされました。

 アイルランドは一般的な憲法の「平等権」に基づく違憲判決でし たが、日本の憲法には「被選挙権」について明確に「財産・収入 によって差別してはならない」と記載してあり、日本では当然に も違憲判決になるべきだ、という主張です。

 裁判長からは、 「韓国やアイルランドの供託金削減や廃止の後に、候補者の濫立や 混乱があったかどうかを調べてほしい」と要請があり、政府側が その証拠を提示しなければならなくなっています。

 ますます、面白くなって来ています。(宮部彰)

 

 次回公判 2018年4月13日(金)14時~ 103号法廷

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*被告「国」の準備書面(2)の要旨

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