【報告】9月29日供託金違憲訴訟第5回公判:国側が本格的反論を迫られる!
供託金違憲訴訟 国側が本格的反論を迫られる!
-選挙供託金違憲訴訟傍聴と報告会レポート-
9月29日、選挙供託金違憲訴訟第5回公判と報告会に参加しました。 裁判長もやる気を出しているようですし、裁判まだまだ続きます。あらためて弁護団の根気と執念にはただただ脱帽です。引き続き、傍聴席を満席で埋める、署名の更なる拡大、自治体への請願・陳情・意見書採択への働きかけで裁判を側面支援していきたいと思いを新たにしました。
福田理子(緑の党東京都本部運営委員)
次回公判 2018年1月10日(金)14時~ 103号法廷
【傍聴報告】選挙供託金違憲訴訟 第5回公判
@東京地裁103号(大法廷)
今回、東京地裁で最も大きい法廷の100席の傍聴席は満席で、初めて溢れました!
前回、裁判長は論点整理し、原告・被告双方に論点に厚みを加えるよう促しました。
国側に対しては、反論が1999(H11)年の二つの最高裁判決を前例として供託金は合憲であるというのみだが、この程度の反論でいいのですか?と 。
原告側に対しては、1999年最高裁判決で、供託金は合憲との判断が出ているのでこの判例が覆る立法事実がその後に生じているのかどうかという観点など補充するのか?韓国では供託金に違憲判断がでたがそれを以て即、我が国でも違憲であるというのはちょっとどうかと思う、むしろOECD諸国でこれだけ多くの国が供託金0でやっている事実の方が気になると指摘していました。
今回の公判にむけて弁護団は第3準備書面を提出。その要旨が宇都宮健児弁護団長により読み上げられました。
(1)1999年から2014年にかけての社会情勢の変化として
・年収300万円以下の世帯割合が10%から20%へと倍増するなど、格差と貧困が拡大した。
・立法府でも高額すぎる供託金が問題とされ、2008年自民党選挙制度調査会で、国政選挙の供託金を引き下げ供託金没収の基準を引き下げる公職選挙法「改正」案をまとめ、衆議院を通過したものの、その後の衆議院解散で、参議院通過の目処がたたず、廃案となった。
(2)OECD加盟35カ国を調査。35カ国中22カ国では供託金制度自体が確認できず、残りの13カ国でも一人の候補者に100万円以上を科す国は日本と韓国ぐらいである。
*弁護団の調査報告「OECD加盟国の選挙供託金制度について」を参照
国側は反論の準備に2ヶ月半必要と主張。原告側は1999年に供託金が違憲と判決の出たアイルランドの判決文を入手しているため翻訳して追加資料として提出予定であることを述べました。
【レポート】選挙供託金違憲訴訟 報告会
@弁護士会館 選挙供託金違憲訴訟弁護団
公判終了後、隣の弁護士会館に移動して報告会が行われました。
弁護団長の都宮健児弁護士から「傍聴席が満席となり、裁判長もやる気を出しているようだ。OECD加盟国の供託金制度を明らかにしたのは日本で初めてのこと。小金井市・小平市・国立市では国への意見書が採択された。グレーゾーン金利の時も、自治体での意見書採択を全国規模で広げていった。7月末には外国人記者協会での記者会見を行い、朝日新聞「天声人語」でも取り上げられ、現在、他紙からの取材の申し込みもある」との挨拶があり、原告の近藤さんからも「子どもたちに、次世代におかしな供託金制度を残さないよう頑張りたい」との発言がありました。
また、弁護団事務局の鴨田弁護士から署名の集まり具合について報告があり、25日頃から封筒が毎日到着し緑の党からの署名がどんどんどんどん増えて4585筆、最近始めたネット署名は1607人となったとのことです。
会場から意見書の取り組みへの質問があり、緑の党の参加者から全国の状況やノウハウについて回答し、今後のHPでの情報提供や共有にむけて確認しました。
次回公判(1月10日)までに2か月半もの間があるのは、「供託金は合憲との判例がある」とする反論だけでは不十分であり、国側も諸外国の事例を調査して本腰を入れた反論が迫られていることを示している、とのことでした。
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