【報告】みんなで止めよう伊方原発07.24全国集会に参加して

みんなで止めよう伊方原発07.24全国集会に参加して


共同代表 松本なみほ


緑の党グリーンズジャパンも賛同団体となった「みんなで止めよう伊方原発07.24全国集会」に参加しました。さよなら原発神戸アクションのメンバーでもある私は、集会に向かうメンバーの方の車に便乗させてもらい、初めて伊方原発に行くことができました。主催者によると、この07.24全国集会で原発サイトに集まった700人という数は伊方原発反対運動のなかでも最大だとのことでした。

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車からは急斜面に植えられているみかんの木々が見えました。 昔の人びとが大変な苦労をして切り立った土地に石垣を築き、 代々にわたってみかんが育ててこられた営みを感じました。



ikatachosya 途中、伊方町庁舎に立ち寄りました。 伊方町は人口約1万人の町ですが、10万人規模の立派な役所建物に見えました。




日曜日だったので、伊方町庁舎は閉まっていましたが、併設している愛媛県伊方原子力広報センターには入ることができました。 建物入口に愛媛県原子力情報ホームページの情報がモニターに 映し出されていました。(同じ情報が http://www.ensc.jp/pc/main/pcbase.html から見られます)

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しかし、広報センター内のモニター類は全て「調整中」の紙が貼られていました。




伊方原発のビジターセンターに電話したところ、「本日は設備点検のため閉館しております」とのことでした。福井の大飯原発のときもそうでしたが、再稼働反対の集会があるときは、電力会社側は警戒して原発の広報施設を閉館するのがお決まりのようです。


saito午前10時30分ごろ、原発の東側から伊方原発サイトが見えるところに行きました。海上保安庁の巡視船と思われる白い2隻の船が海に出ていました。 この直後からはじまった警察の車両規制によって、私たちの乗った車は引き返して別のルートから集会会場付近の「道の駅きらら館」を目指すことにしました。


13時半からの集会に向けて、集会会場近くの「道の駅きらら館」には大勢の集会参加者と思われる方々が来ていました。

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きらら館では、名物のじゃこ天やじゃこカツ、みかんを使った食品などが販売されていました。館内の階段には「みかんミュージアム」と題して、みかんについての情報や写真がパネル展示してありました。
無邪気なこどもたちがみかんと共に笑顔で映っている写真を見ると、伊方原発の再稼働を絶対に許してはいけないという思いがいっそう強くなります。




■伊方町民の「再稼働NO!」の声を無視する愛媛県と安倍政治

チラシ1集会スタッフの方が伊方原発再稼働について情報をまとめたチラシを配っておられました。伊方町で昨年12月に発表された、原発再稼働住民はがきアンケートの集計結果が載せられています。再稼働賛成の26.6%対して、倍の53.2%もの反対があったということです。


チラシの中面には、非現実的な避難計画を示す地図が示されています。
伊方原発は東西約40㎞に長くのびた佐田岬半島の東側に位置しています。 原発で事故が起こった場合、原発より西に暮らしている住民の最大5000人が船で避難するという避難計画ですが、津波が襲ってくるかもしれない海に向けていったい誰が漕ぎ出すというのでしょうか?
事故の原因が地震や津波でなくても、急斜面に住んでいる人びとがプルーム雲が到達する前に避難することは到底できないと考えます。

4月の熊本・大分での大地震を受けて、伊方町民の方々の危機感と不安はさらに大きくなっていることでしょう。4836世帯、約1万人の伊方町民の命と財産を守るためには、伊方原発の廃炉以外にありえません。


■命と地域社会の崩壊の上に建つ原発

20160724_133159 (1) 13時半から集会が始まりました。炎天下でしたが、司会の太田あゆみさん(高松市議・緑の党サポーター)の元気な声に救われました。

はじめのアピールにたった鎌田 慧さんは、伊方原発建設の執拗な土地買収によって自死に追い込まれた元村長の妻の話をされました。

夫である元村長は原発建設反対の運動を行っていました。その妻は、あの手この手で土地を売るように要求され、夫の承諾を得ずに自分名義の土地を原発建設用地として売ってしまったのです。夫妻の仲はとたんに険悪になり、妻は自らの命を絶ってしまいました。(詳細は『原発の来た町 原発はこうして建てられた 伊方原発の30年』 斉間満著 
http://fine-club.com/project/wp-content/uploads/SaimaIkataBook.pdf
P.34 原発が来た町の最初の犠牲者 夫婦・親子の絆切り裂く に記されています。)

原発の燃料となるウラン採掘の現場でも、土地を守ってきたオーストラリア原住民の方が同じ悲劇にみまわれています。

高度経済成長の名のもとに、豊かな自然と共に生きる人々の命や信頼関係を踏みにじる。これが世界に共通する核の大罪であるといえます。


■一人ひとりの内なる原発を廃炉に

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この集会に、ある青年が参加していました。こうの君です。
私が持っていた緑の党の「原発ゼロへ!いますぐ廃炉」の旗を見て、 緑の党の方ですか?と声をかけてくれました。

聞くと、大分の小坂正則さん(緑の党会員・地域代表協議委員・大分地裁、伊方原発再稼働差し止め仮処分の申立人)の知り合いで、別府から一銭も持たずにヒッチハイクでこの集会に来たといいます。

彼はゲート前でのアピールに飛び入り参加し、とても印象深い発言をしました。

――私たちのなかの原発をまずどうにかしなきゃならないということです。
あるドイツ人が「われわれ自身のなかのヒトラー」という本のなかで、我々がヒトラーであり、我々がヒトラーを支えていたと書いていた。

電力会社が選べるようになったなかで、どこの電力会社に電力料金払っていますか?
どこの銀行にお金を預けていますか?
衣食住はどうですか?何を食べていますか?何を着ていますか? どの建設会社の家に住んでいますか?それとも自分で家を建てていますか?
我々のなかの原発を考えてみたいな、と
これからは、21世紀は村だよね。と(仲間と)言っています。
で、村をつくっています。ぜひ遊びに来てください。―――

動画:〜7.24集会〜ゲート前行動
http://twitcasting.tv/togura04/movie/290631030 
小倉正さん(全国集会スタッフ・緑の党会員)による撮影。こうの君の発言は3:21:57~

四国電力の大株主について調べてみたところ
http://www.ullet.com/%E5%9B%9B%E5%9B%BD%E9%9B%BB%E5%8A%9B/%E5%A4%A7%E6%A0%AA%E4%B8%BB によると
「伊予銀行、百十四銀行、日本生命保険、住友共同電力、日本トラスティサービス信託銀行、高知県、日本マスタートラスト信託銀行、四国電力従業員持株会、明治安田生命保険」などが伊方原発を支えていることがわかります。


■伊方原発再稼働を阻止するために

現地では、26日に松山地裁での仮処分審尋第1回が行われ、坊ちゃん広場で集会が行われるなど、再稼働に反対する行動が続けられています。

今回の全国集会で、50年にもわたる長い闘いを続けてこられた愛媛の人たち、全国の人たちと出会うことができました。みなさんが続けてこられた活動に感謝の念が絶えません。
愛媛で進められている無謀な再稼働を食い止めるために、自分の地域から伊方の現状を伝え、原発推進をしている電力会社からの切り替えを呼びかけていきたいと思います。


【参考】
みんなでとめよう伊方原発❗️7.24
https://www.facebook.com/events/1047542771997783/

愛媛新聞 伊方再稼働に否定的65% 県民世論調査2016年03月11日(金)
http://www.ehime-np.co.jp/news/local/20160311/news20160311767.html

緑の党 電力自由化特設サイト
http://www.gj-energy-policy.com/

パワーシフト:デンキを選べば社会が変わる!
http://power-shift.org/

【訂正】 松山地裁での仮処分審尋第1回は7月26日でした、お詫びして訂正いたします。(7月30日)