【声明】国際女性デーにあたり ―女性議員を増やし、ジェンダー平等と共生の社会を実現…

 

 【声明】 国際女性デーにあたり
  ―女性議員を増やし、ジェンダー平等と共生の社会を実現しよう

2020年3月8日
緑の党グリーンズジャパン運営委員会

 今日3月8日は女性が政治・社会に平等に参加できるように呼びかける「国際女性デー」です。残念なことに、今年は新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、国際女性デーを祝うパレードや性暴力に抗議するフラワーデモなどの多くが中止、延期されています。また、安倍首相による突然の休校要請によって、子育て中のひとり親や共働き、特に非正規雇用の女性たちが窮地に立たされています。

 昨年は政治分野における男女共同参画法が施行されて初めての統一自治体選挙(4月)と参議院選挙(7月)が行なわれました。しかし、統一自治体選挙後も都道府県議会の女性議員比率は10%と低く、女性議員ゼロの市区町村議会が依然として19.5%にのぼります。さらに参議院選挙では、立憲・社民・共産各党はそれぞれ45%、55%、71%の高い比率で女性候補者を擁立しましたが、自民は15%、公明は8%と前回を下回り、新たな女性議員比率は22.9%と、前回の20.7%をわずかに上回るにとどまりました。
 女性自治体議員に「議員活動における課題」を問うアンケートの回答では、「活動時間がない」「資金不足」「議員活動と家庭の両立が困難」などが上位となっており、女性の社会的・経済的自由を制約している日本の社会構造や伝統的価値観が、女性議員たちの活動を今も阻害していることも明らかになっています。
 日本は先進国で唯一、夫婦別姓が選択できません。今国会で選択的夫婦別姓に関する議論も活発化しているようですが、この制度がいまだに法制化できていないのも、女性議員が少ないためその声を十分反映できないことが大きな要因です。
 男女同数候補者を掲げた日本版パリテ法でありながら理念法の限界が示された「政治分野における男女共同参画法」に政党への義務化を定め、比例代表制の導入や拡大を図るなど実効的な制度体系に変えていくことが必要です。

 一方、昨年3月に4つの性暴力事件で極めて理不尽な無罪判決が連続したことをきっかけに、性暴力に抗議するフラワーデモが毎月11日に全国各地で行なわれ、性暴力被害を受けた女性の勇気ある行動と共感の輪が拡がりました。そうした声や共感を背景に、ようやく変化も現れてきました。福岡高裁は今年2月、準強姦の罪で起訴されながら一審無罪だった会社役員(前記4つの事件のうちひとつ)で実刑を言い渡しました。また、ジャーナリストの伊藤詩織さんが性暴力を受けたとして山口敬之氏を訴えた民事訴訟において、昨年12月、東京地裁は山口氏に賠償を命じました。
 また、近年深刻化する気候変動による甚大な災害は、特に貧困層を直撃するだけでなく、非常時のしわ寄せが女性や子どもたちへの性暴力にも結びつきます。避難所での性被害の実態が何年も経ってから明らかになるケースも珍しくありません。
 今年は2017年に改正された性犯罪刑法の見直しの年です。「暴行や脅迫が立証されないと同意のない性行為であっても処罰されない」「性行為同意年齢が13歳とされているため、それ以上の子どもの性被害は成人と同様の立証が必要となる」などの問題点の改正が必須です。また、整備されるべき再犯防止や加害者の更生プログラムにも、被害者の視点が盛り込まれなければなりません。
 災害や避難所における女性や子どもたちの人権保護の取り組みも、当事者参加のもと、より一層進められなければなりません。

 世界では同性婚が認められる国が増えており、台湾では昨年5月にアジアで初めて同性婚が合法化されました。日本でも同性婚訴訟が始まる一方で、現時点で35の自治体が同性(もしくは異性事実婚も含む)パートナーシップ制度を導入し、2020年度には倍増する見通しです。

 男女平等指数は世界 121 位と過去最低となった一方で、女性やLGBTQの人々を取り巻く状況が互いに連動しながら着実に前進し、若い女性たちが気候危機アクションをリードしています。緑の党は、この希望を確かなものにして、あらゆるSOGI(性指向と性自認)を認め合い、共生していく社会を創るために取り組みを進めます。

 PDF➡https://greens.gr.jp/uploads/2020/03/seimei20200308.pdf