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政策集

(保存用)政策⑧ 「参加民主主義 民意の反映と決定権の獲得へ」

 

⑧  「参加民主主義民意の反映と決定権の獲得へ」

 

現状と課題

①民意が反映されず利権が優先される政治

民主主義は市民が主権者であるはずなのに、政治と民意がかけ離れ、多数の人々の意志が政治に伝わっていない。とりわけ3.11 以後、民意とかけ離れた政治が極限に達している。典型的な事例は、原発政策に表れている。7割が脱原発を求めているのに、民主党政権は原発温存の姿勢で「原発ゼロ」を目標にしようとしていない。「原発の再稼動反対」が6割にも達するのに、政府は地元や市民の意志を無視して再稼動を進めようとしている。また、6割近くもの人が原発是非の国民投票を要求しているのに、ほとんどの政党が反対している。

消費税増税やTPPも、多くの人が反対しているのに、十分な情報開示や議論もないままに進められようとしている。これら民意とかけ離れた政治が横行してしまうのは、一部の業界や官僚などの利権を優先させる政治シテスムが温存されたままだからだ。

②情報秘匿と「結論ありき」の儀礼的議論

政治的決定に関する市民への情報開示は、公共的な熟議を促進し、民主主義が機能するための前提条件であるが、極めて不十分である。逆に、「結論ありき」の政治へと誘導するための情報開示/秘匿となっている。

象徴的な事例は、ここでも原発政策に表れている。福島原発事故直後の放射性物質の拡散状況が即座に開示されず、市民の避難を遅らせ、被曝を強めてしまったこと。内部被曝を避けるための食品汚染の調査も、基準値を上げてそれ以下の実際の汚染値を開示せず、市民の選択権が保障されていないままであること。「不安を煽らないため」という愚民視した理由で、さまざまな数値が恣意的に捻じ曲げられ、説明責任が果たされていないこと。

「税と社会保障の一体改革」論も、社会保障のビジョンや税収の具体的な使途は不透明なままである。TPPについても、協議の内容に農業だけでなく医療や保険なども対象になっているにも関わらず、明らかにしようとしていない。 情報秘匿と「結論ありき」の儀礼的議論で、民意は置き去りにされたままである。

③市民に政治への決定権が与えられていない

情報公開と熟議が行われたとしても、最終的な決定権が市民に十分保障されているわけではない。実質的な決定権を付与されない民主主義は、民主主義ではない。

選挙による政権交代は、民意の反映を実現するもののはずたった。しかし民主党政権は、業界と官僚の利害に取り込まれ、自民党政権と何も変わらないことが明らかになった。民意は裏切られたのである。そうなってしまった決定的な理由は、小選挙区制度が多様な民意を反映せず、2大政党に過半数を取ることを要求し、2大政党の同質化を促進してしまうからだ。

分権・自治が進められず、中央集権政治が温存され、逆に市町村合併によって、ますます市民自治は遠のいている。「地域主権」は、政府と地方政府の間の「権力内分権」であり、民意が反映される市民自治をともなっていない。首長のリーダーシップへの「お任せ」は、市民参加の民主主義とは対極にある。地方議会は対話と熟議の姿勢で市民(関係当事者)と向き合おうとしていない。

政党と民意がかけ離れた場合、それを解消する方法に市民の直接投票という選択肢がありうる。しかし、現在の制度は、市民の多数が要求しても議会・政党が直接投票を拒否することができる。

市民の民意を反映させるための最後の方法は、市民自らが政党を立ち上げて国会に登場することである。しかし、現在の選挙制度は多額の供託金など、新しい市民政党が国会に登場するための参入障壁が世界的にもきわめて高い。

④市民よりも行政の救済を優先する司法

民主制の過程において不幸にも人権や自然が損なわれてしまう場合においては、司法権が少数者の声に、そして未来の子どもたちの権利に対して慎重に耳を傾け、法の支配に基づいた解決を図っていく必要がある。

ところが、裁判官の多くは最高裁判所による人事統制に服しており、また現行の行政法では行政にあまりにも大きな裁量権が与えられている。その結果、裁判所は多くの場合、市民の救済よりも行政の救済をしばしば優先させてしまう。そして、現在、市民が裁判所をコントロールする手段は、裁判員制度を別にすれば最高裁判所裁判官の国民審査が唯一の制度であるが、判断するための情報があまりにも乏しく、審査が実質的に機能していない。また、裁判員裁判においては、裁判員によって裁判するか被告人の選択権が与えられておらず、被告人の権利が逆に損なわれるおそれがあり、被害者が自らのプライバシーを守る権利も保障されていない。一方、最も市民の健全な判断が求められる行政事件には、裁判員制度を導入する計画すらない。

しかも、近年の「司法制度改革」によって、原則として高額な学費を要する法科大学院を卒業しないと司法試験を受験することができなくなり、一般市民が弁護士、裁判官、検察官となって司法権に参入するための経済的障壁がきわめて大きくなってしまった。

 

個別政策

<市民への徹底した情報公開>
① 政策決定過程・電子情報などの公開、第三者機関「情報公開庁(仮称)」を設置する
  • 政策決定過程にある情報や内部的覚書、電子情報まで含めた情報公開条例の策定
  • 審議は全て公開とし、傍聴者がその場で議論に参加する場も設け、検討の過程は全て公開し、実名の議事録および録音、録画データを公表する。
  • 公正・公開・参加・説明責任を原則と定める「行政運営基本法(仮称)」の制定を目指す。また、原則に則って、情報公開法や行政手続法などを改正し、判断材料となる情報を誰もが入手できるようにする。
  • 上記の目的を達成するために、各省庁から独立した第三者機関として、「情報公開委員会(仮称)」を設置し、市民が容易に情報を得られるサービスを強化する。
  • 記者クラブ制度の廃止、インターネット規制の撤廃、企業のメディア広告費の制限

 

<お任せ民主主義からの脱却>
② 民の参加による公的熟議を促進する
  • 各種の審議会にはクオータ制に基づく公募、推薦による市民・NGOの参加を義務づける。
  • 賛否が割れる重要法案と条例については、無作為抽出による市民の熟議委員会を設定し、議論の過程をテレビで放映する。また、市民に開かれた公聴会を義務づける。
  • 上記の市民参加による熟議を公平な観点から促進するために、第三者機関として「熟議促進委員会(仮称)」を設置する。

 

③「新しい公共」の担い手の一つであるNPO(NGO)への寄附を分権、市民参加型で充実させる
  • 自治体独自の寄附認可団体枠を拡大し、住民税減免を拡大する
  • 給与天引きにより寄附できる制度(イギリスで実践)など簡便に寄附を行える制度を導入する

 

<民意を公正に反映させる投票制度>
④民意を反映するために小選挙区を廃止し、全国単一の比例代表へ改革する
  • 民意を正確に反映させるために、以下のように選挙制度を改革する。衆議院の小選挙区制度を全国単一の比例代表制度にする。参議院はブロックごとの大選挙区による比例代表制度とする。地方議会選挙も比例代表制度とする。
  • 候補者は、男女のクオータ制(割当制)とする。また候補者を選択できる小選挙区との「併用制」などを採用する。
  • 被選挙権の公正を確保するために、供託金は廃止する。0.5%以上を獲得した政党に対して、民主主義の活性化への貢献とみなし、票数に応じた「再チャレンジ奨励金」を助成する。
  • 公平な選挙運動のために、ネットの活用や戸別訪問など全面的な自由化を促進する。

 

※選挙制度については、多様な視点からのパブコメをいただきました。今後の検討課題とさせていただきます。
⑤国民投票は有権者の2%、住民投票は有権者の5%の請求で実施を義務づける
  • 国民投票法を制定し、有権者の2%の請求、または都道府県の10 以上の請求で実施を義務づける。
  • 国民投票は、熟議が成立するために、十分な期間と自由な言論が保障される制度とする。
  • 地方自治体における常設型住民投票制度を策定し、有権者の5%の請求で実施を義務づける。

 

⑥企業団体献金を廃止し、市民の寄付と連動した政党助成金の上限制限を行う
  • 特定の利害を排するために企業と団体の献金は廃止する。
  • 政党助成金や政務調査費などは領収書付きの収支報告を義務づける。
  • 政党助成金は、議席数割りを廃止し得票数割に一本化する。そのうえで、市民からの党費や寄付と連動した助成金、かつ上限枠を設定する制度に改正する。

 

<分権・市民主権を進める>
⑦市民自治の分権を促進するために、住民投票による基礎自治体の「分割」を認め、県・国の承認制を廃止する。
  • 市民の主権と自治を促進するために「地方分散法」を制定し、大都市の縮小・分散を可能とする。
  • 経済効率優先の道州制ではなく、基礎自治体の自治の補完を目的とした連邦制をめざす。

 

⑧議会の住民説明会・公聴会の義務づけ、および住民参加型予算に取り組む
  • 市民主権を促進するため、地方自治法を抜本的に改正し、市民参加型予算などを定めた「市民自治法」を制定する。
  • 地方議会による住民への説明会の実施、住民からの公聴・提案制度の充実、議員間討論の活性化を図るための「議会基本条例」を制定する。委員会の公開、条例・請願・陳情などの議員の賛否は公開する。

 

<司法の民主化を進める>
⑨行政訴訟の立証責任を行政に負わせる
  • 行政事件訴訟法を改正し、行政判断が適正であることの立証責任を行政側に負わせる。また、環境保護団体などに原告適格を認め、その場合訴えを提起する要件として「法律上の利益」を求めないこととする

 

⑩最高裁判官の国民審査を実効性のあるものに改正する
  • 広報において、どの裁判官がどのような判断をしたか、市民に分かりやすく知らせる。
  • 国民審査法を改正し、罷免を可とする裁判官には×、罷免を可としない裁判官については○を付け、いずれの記号も付けない裁判官については無効票として扱う。

 

⑪行政裁判において原告が希望すれば裁判員裁判を行う
  • 裁判員裁判(刑事)における事実認定と量刑手続を分離し、裁判員裁判によるか否か、また事実認定と量刑のうちどの部分を裁判員裁判によるかを、被告人の判断に委ねる。
  • 一定の重大事件(民事・行政)において、原告が希望する場合には、裁判員裁判によって審理・判決を行う。

 

⑫司法試験法を改正し、司法試験の受験資格から「法科大学院卒業」という要件を外す。

 

<刑事司法における人権保障>
⑬警察と検察の取調などにおいて人権を保障する
  • 取調べの全過程を可視化する
  • 代用監獄を廃止し、拘置期間を短縮する
  • 刑事裁判における検察による控訴を禁止する

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