【声明】ミャンマー(ビルマ)軍部によるクーデターと暴力に抗議します

 

【声明】ミャンマー(ビルマ)軍部によるクーデターと暴力に抗議します

 

2021年2月25日
緑の党グリーンズジャパン運営委員会

  2021年2月1日にミャンマー(ビルマ)(※1)で国軍による軍事クーデターが発生し、アウンサンスーチー国家顧問をはじめ多くの与党NLD関係者らが拘束されました。民主化に向けて改革が進められた同国を再び軍事独裁に引き戻す行為であり、選挙を通して存在基盤を脅かされた軍部の暴挙です。実権を掌握した軍部は、高まる市民の抗議に暴力で弾圧し、逮捕者は数百人に上り、2月19日から20日にかけて3名が犠牲になりました。力ずくで市民の声を抑えようとするあらゆる試みを許してはなりません。軍部のクーデターを強く非難し、選挙で選出された政治家などの拘束や市民への弾圧をただちに止めるよう求めます。
  今回軍部がクーデターを起こしたミャンマー(ビルマ)の他にも、香港や少数民族問題を抱える中国や、ロシア、タイ、アフリカ各国など、民主化運動と政府が対立する国が多数あります。これらの国々で、政権の安定のために、人権や民主主義を求める声を抑え込み、その手法と経験をそれぞれがそれを互いに「学び」合いながら、一層強権的な支配が進む深刻な事態となっていることを憂慮します。同国の民主主義の危機は、世界と私たち、未来世代の民主主義にとっても危機です。
  その民主主義を守るために、国際社会・市民社会の連携も必要です。軍部の暴挙だけでなく、軍部を支援していると言わざるを得ない中国政府の姿勢も大きな問題です(※2)。日本政府はじめ国際社会は、ミャンマー(ビルマ)軍部の行為と、中国による同国軍部への直接的・間接的支援をさせないよう働きかけるべきです。
  日本国内で政府に対し同国軍部に政治家や市民の拘束をやめるよう働きかけるよう求める署名も取り組まれています。私たちも各地の取り組みに参加しながら、同国と世界の民主主義を守るため、声を上げていきます。

 

※註

  1. 国名「ミャンマー」は定着しつつあるが、1988年にミャンマー国軍がクーデターを起こして軍事政権を開始して改名したもので、当時軍政を逃れて国外に脱出した人たちは意識的に「ビルマ」を使い続けた。一方、「ビルマ」が植民地時代にイギリスにより用いられた名称であり、「ミャンマー」がより民族主義的であるとする意見もあり、ここでは両名称を併記した。
  2. 中国は1988年の民主化運動弾圧で国際的に孤立したミャンマー軍事政権に経済援助を続けており、今回もクーデター直前に軍部と中国が接触しているとされる。ミャンマーの貿易・投資の約30%が対中国となっている。中国にとって仮に今回の事態が必ずしも歓迎されるものでないとしても、クーデターに対して厳しい姿勢を取っておらず、国内の民主派からは中国への反発が強まっている。

 

PDFファイルは⇒https://greens.gr.jp/uploads/2021/04/seimei_20210225_02.pdf


*3/31 記述に間違いがありましたので訂正しました。
 間接的支援をさせによう働きかけるべきです。 ➡ 間接的支援をさせないよう働きかけるべきです。